「離さない」「ずっと一緒だよ」
あなた…言ってたじゃない

四月、薄紅色に染まり二度目の春が
窓辺から覗く桜 ざわめき始め
唐突に告げられた彼からの言葉…

「幸せにするから」
抱き寄せ、口付けたじゃない…。
此び部屋を出ていくの?
あたしと想い出棄てて
凡てを無っかた事にするのね
唇噛み締めた 涙目滲む昼下がり

花弁、風に舞いひらりふわり 儚く散った

別離れを切り出した彼、縋る私…

「ごめん…」冷めた顔で
無責任すぎる一言
嘘は要らないの
アノ日見てしまったのだから
そうよね…アタシ騙されていたんだわ
アノ女ノ元へ…乗り換えるのね?

「さよなら」背を向けて
掴む腕は振り払われ
ドアを開けようとした 貴方の後ろ姿と
窓から行きずりに春一片
衝動的に鈍器を拾い上げ
その背後からあああ”ァァあ”ァァ…

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