拝啓、__様

実りの秋となり、木々の梢も色づひて参りました。
―中略―
この胸、焦がれ焦れるやうに。
温みが 今も 未だあります。
__を 恋ひ慕ひます。

煌々と照らす木漏れ日を切なく感じて心に沁み入る

君よ、何処へ…何時までも待ってゐます
打ち拉がれた蒼 朱く染まる
彼行けば 枯れ生きて 風と成りけり
終焉の閃光に 両手翳して

拝啓、__さん

冷雨が降り続く鉛色の空は今日も泣ひてをります。
―中略―
笑顔で きっと 帰ります。
含羞む写真をお守りに。
___よ どうか それまで…

ゆらゆらと揺れる篝火は刹那に嘶き烈しく耀く

君よ、何処へ…何時までも呼んでゐます
打ち拉がれた蒼 朱く染まる
我征けば 破れ逝きて 風と成りけり
終焉の閃光に 両手翳した

「我が愛よ、幸あらん事を…」

君よ、何処へ…何時までも咲ひてゐます
掴めると信じて 双手翳した
彼行きて 我征けば 潰へても尚…
此のまゝ枯れやうと 華は朽ちず

一輪の天華と生つて

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