2012-02-20

【OLDCODEX】聴き手の想像力を掻き立てる攻めのナンバー

 刺激的なサウンドとメッセージ性あふれるリリック、そしてペインティングという多面性あふれる表現で、独自のスタイルを貫くOLDCODEXが、2012年最初のシングルをリリース。ヴォーカルのTa_2とペインターのYORKE.に語ってもらった。

──新曲「Cold hands」は、エレクトロ/ハウスの明るいキラキラとしたサウンドだったので、すごく意外でした。

Ta_2 去年10月にリリースした2ndミニアルバム『FLOWER』には、例えば「night flight」とか浮遊感のある明るい曲が結構あって。そこからの流れだったし、俺ら的にはそれほど予想外でもなかったんだけど。周りからは意外だとよく言われますね。

──以前にも打ち込みは使っていましたが、ここまでエレクトロ感を全面的に押し出したのはなかったですよね?

Ta_2 そういう部分では、確かに初です。

──今年最初のシングル表題曲として、何か具体的なビジョンがあって制作に臨んだのですか?

Ta_2 『FLOWER』の流れを汲んだものをやろう、という程度しか考えていなかった。それに制作のやり方としては、『FLOWER』の時とまったく同じで、3人それぞれが持っているOLDCODEX像や表現したいことを、素直に出していった感じ。頭から3人で一緒に作っていくのではなく、詞曲とかサウンドは全てギターのR・O・Nに任せて、俺らはR・O・Nから出てきたものに反応していった感じです。『FLOWER』の制作で見えたこともあったし、逆に見えなくなったこともあったので、それを再確認しようという気持ちもありましたね。でも、このやり方は、もうやーめたって(笑)。2作やってお腹いっぱいなんで。

──あ、やめるんだ(笑)。

Ta_2 またやるかもしれないけど、新しい刺激が好きなので(笑)。

YORKE. 意外という部分では、確かに『FLOWER』の流れだけれど、俺は歌詞が全部英語だったのが意外だったかな。

──歌詞を全部英語にする場合、歌も音の一部として感じてほしいという考え方と、歌詞に込めたメッセージを直接的にしたくないという考え方があると思いますが。

Ta_2 もちろん前者の意味もあるけど、割合的には後者が大きいです。読んでもらえれば、少々堅く重いものがテーマとしてあることを分かってもらえると思うけど、それを前面に押し出すのは、OCDのやり方としてはちょっと違うなと思って。でも、サウンドを聴くと、すごく明るくて元気なものだし、最終的にはポジティブなものにしたいと思ってバランスを取った感じもあるし。

YORKE. 英語だろうと日本語だろうと、答えは聴く人の中にあると思っていて。それは別に、言いたいことから逃げているわけじゃないんです。だって、英語が分かる人が聴けば、すごく分かりやすいことを歌っているから。ともかく前向きなものにしたいということだけは、全員の共通した意見でした。楽あれば苦ありと言うし…全部が上手くいくわけじゃないけど、最終的には上手くいけば良いなっていうか。

──OLDCODEXのそれぞれの中でも、この曲の解釈は変わる?

Ta_2 3人が3方向を向いて、各自の考えを尊重した上で一緒にいるわけで。普通のバンドだと、全員が同じ方向だけを見て一方向に行きがちで、それはそれで良いと思うけど。俺らはそうじゃないからこそ、そういうバンドとは違うものが生まれると思っていて。すでにメンバーで3方向の解釈があるのだから、聴いた人それぞれで、その人なりの考えが生まれて当然だと思うし。

YORKE. 対訳も載るけど、単なる対訳じゃないんです。違う捉え方で、日本語で表したリリックとか、ポエムみたいな感覚のものになるんじゃないかな。だから、ふたつ読んだ上で、また新たな考えも沸いてくると思うし。やり方としては面白いと思います。

──タイトルの“Cold hands”は“冷たい手”の意味ですが。

Ta_2 意味深ですよね(笑)。でも、歌詞を読めば、なるほどなと思ったし、その上でじゃあ自分が経験してきた“Cold hands”は何だろう?って、歌う前にはすごく考えました。

YORKE. 俺はぶっちゃけ、最初はラブソングかなって思ったんです。“Cold Hands Warm Hearts”…“手が冷たい人は心が温かい”という言い方もあるし。それで曲を聴いたら、女の人が出てくるイメージが出てきてしまって、最初はその印象でジャケットを描こうと思っていたんだけど、それだとラブソングの印象になっちゃうんじゃないかって、Ta_2とかに言われて少し頭を冷やして…“Cold Heads”したっつってね(笑)。

──今回のシングルはCDの他にPVとメイキング映像を収録したDVDが付きますが、これも攻めですね。

YORKE. その姿勢がすごくカッコ良いと思うんだけどね。

Ta_2 会社も腹括ったなって(笑)。DVDが付くと、シングルにしては単価が高くなるから、最初は少し不安だった。より多くの人に手軽に手に取ってほしいから。でも、実際に撮影していくうちに、これが入るなら納得だと思えたんです。そう思えたのは、きっとPVの監督やスタッフさんたちのおかげだと思うし。

──PVは矢沢永吉さんや長渕 剛さんなどを手がけている大坪草次郎さんが監督を務めているそうですね。

YORKE. 映像のプロであることはもちろん、どれだけ俺らのことを好きでいてくれているかというのが重要で。その点で、大坪監督は俺らのことをすごく好きでいてくれたんです。会った瞬間に意気投合して、最初は1時間だった打ち合わせの予定が、それから朝までご飯食べたり飲んだりして(笑)。

Ta_2 YORKE.が太鼓判を押すだけあって、すごく安心して任せられる監督だったから、俺も現場ではすごく気楽にやれたし、家にいるんじゃないかってくらいリラックスできました。メイキングの俺らのリラックスし切った表情は見物ですよ(笑)。良いものができるかどうかって、現場の雰囲気一発で分かるんです。現場の良い空気感は、どんなに困難な状況であっても、良い作品へとつながる。そのことだけは自信を持って言えます!

取材:榑林史章

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