2013-04-20
【Alice Nine】バンドの壮大な世界観、全開!
3カ月連続シングル第二弾「SHADOWPLAY」をリリースしたばかりのAlice Nine。“このバンド自体、壮大でドラマチックな曲が好きなんですよ”と語る彼らの個性が色濃く出た作品についてメンバー全員に話を訊いた。
──3カ月連続第二弾シングル「SHADOWPLAY」は展開の凝ったドラマチックな曲になりましたね。第一弾「Daybreak」は新たなAlice Nineを感じさせる曲でタイトル通り、まさに夜明けのイメージだったけど、今回は夜が似合います。
将「前作は移籍第一弾だったので、新しいAlice Nineの幕開けを感じさせる曲にしようって話をしたんですけど、第二弾は自分たちらしさがある曲でいいんじゃないかって。ビジュアル系だからこそできることを提示した部分もありますね。」
──作詞作曲は将くんですが、Aメロでピアノがフィーチャーされているので鍵盤で作った曲なのかなと。
将「ピアノでメロディーを打ち込んだデモを虎に渡して、曲の骨組みを作ってもらったんです。その後、アレンジャーと一緒に構築していきました。主役のメロディーが移り変わっていくことによって、ミュージカルのセットや場面がめまぐるしく転換していくようなイメージで書きました。」
虎「テンポや曲調は指定があったんですけど、メロディーだけもらって曲を付けるって難しいんだなと思いましたね。ギターも将くんの意見が反映されてるんですけど、こんなにソロで速弾きしちゃっていいの?って(笑)。とはいえ、シンセやドラムが押し出されていて、ギターはそんなにガツンと前に出てないのでバランスがいいなと。あくまで聴かせるタイプの曲でありながらもメタルアレンジっていう。」
──かなり難易度の高い演奏だと思うんですけれど。
Nao「ドラムも自分のプレイをイメージして考えてくれたみたいなんですけど、“将くんは俺がこういうドラムを叩けると思ってるんだ。頑張らなきゃ”って(笑)。気を抜ける箇所がない曲なので終始、緊張感がありますね。」
ヒロト「ギターはイントロのアコギが一番難しかったですね。ピアノとストリングスにどう馴染ませるか考えました。メリハリのある構成なので、しっかり緻密に演奏する部分と勢いでバーンとイケてしまう部分があって、そこは聴きどころです。」
──弾いていてカタルシスがある曲ですか?
ヒロト「そうですね。個人的にメタルはルーツにはないんですけど、ズンズン前に突き進んでいく感覚がある曲なので、自分の中で良い着地点を見出せてプレイできました。」
沙我「ベースはテクニカル的な難しさはあまり感じずにすんなり弾けましたね。たぶん、Alice Nineって壮大だったり、ドラマチックな曲が好きなんですよ。ここまでデカい世界観を表現してるバンドはあまりいないので、それが自分たちの個性になればいいのかなって最近は思ってますね。」
──バンドの個性が色濃く出た曲ですね。歌詞は曲と同時?
将「あとから書きました。この曲が持っている寂しさや空虚な感じって何なんだろう?って掘り下げていって、“喪失感”なのかなって。“失ってしまった人の影を探す”って言い方をするじゃないですか。その未練の気持ちを“影遊び=SHADOWPLAY”って表現したんです。無力さやわびしさを切なく歌うだけじゃなく、熱く叫ぶように歌いたかったので。」
──歌にパワーがありますもんね。未練を断ち切る最後の歌詞が潔いエンディングにピッタリで。
将「バッサリ終わらせることで、よりドラマ感が出ましたね。エンディングの後、次週の予告が流れそうな(笑)。」
──カップリングの「Scarlet」はイントロからして陰りがあって、深いところに吸い込まれそうなミディアムチューンですね。
沙我「移籍する前、ツアーで未発表曲をやろうっていう話になって作った曲なんですけど、この曲ができたきっかけは、一昨年の夏にセッションバンドを組んでイベントに出たことなんです。ヴォーカルがthe GazettEのRUKIさんでガチでLUNA SEAの曲をカバーしたんですけど、初めてバンドを組んだ時みたいに楽しくて刺激的だったので、その時に感じたことを、そのまま曲にしてみたっていう。」
虎「ベースから始まりたかったのかなって(笑)。こういうイントロの曲ってカッコ良いのに意外とAlice Nineはやってなかったなって。」
将「妖艶で淫糜な雰囲気の曲だなと思いましたね。暗闇に浮かぶ赤い色って自分的にすごく妖しいイメージがあるので、それが“Scarlet(緋色)”ってタイトルにつながりました。」
──2曲のタイプはまったく違うんだけど、いい意味でバンドの緊張感がある曲になりましたね。
将「そうですね。「SHADOWPLAY」はバキバキのバンドサウンドのアレンジをポップス寄りにすることによってバランスをとっていて、「Scarlet」は音に隙間があって全員がせめぎ合っている感じがバンドらしくていいですね。」
──ちなみに第三弾シングルはどうなりそう? 表題曲は第一弾がUVERworldを手がけている平出 悟さんのプロデュースで今回は岡野ハジメさんのプロデュースですけれど。
将「第三弾も平出さんプロデュースですね。次は沙我くんの超スタイリッシュなバラードが…。」
沙我「バラードを作ったんですけど、いい意味で平出さんにぶっ壊されて今までにないアプローチになりました。」
ヒロト「すごくカッコ良いですよ。」
将「迎合しない超越したポップさを表現したいと思ってるんですが、どう詞で表現するか今、模索してる最中です!」
取材:山本弘子
(OKMusic)
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