2014-06-23

MUCC、MUCCの核やルーツになるものが 分かりやすく出ているアルバム

 7カ月間連続ツアーの真っ最中に発表されるアルバム『THE END OF THE WORLD』は、今の時代を呼吸する人が必要としている作品だと思う。この熱量、リアリティー、ヒリヒリした言葉と愛がひとりでも多くの人に届くことを願う。


──アルバム『THE END OF THE WORLD』は1曲目のタイトル曲から圧倒されました。自分がふだんフィルターをかけている感情が露わにされる感覚があって、時代を映し出した衝撃的な作品になったんじゃないかと。

ミヤ 前のアルバム『シャングリラ』を作って、もっと自分たちの音楽に貪欲になって突き詰めたいと思ったんですけど、そういう気持ちを自分が思っている以上に膨らませられた作品になったんじゃないかと思いますね。

──前回のインタビューで、アルバムには自分たちのふたつの面が押し出された偏ったものになると予告してくれましたが。

ミヤ サウンド的に激しい曲とメッセージ性の強いフォーク調の曲に寄ったなっていうのはあります。

YUKKE リーダーも今言ってましたけど、“フォーク”というキーワードは散りばめられている気がしますね。あと、最初に通して聴いた感触が、今までのMUCCのアルバムとちょっと違ったんですよね。以前よりヒリついているというか、シリアスさが前に出ている印象があるというか…。

SATOち 僕はいい意味でムダがなくて、スッと入ってくる聴きやすいアルバムだと思いました。昔のMUCCのアルバムにはいろんなテイストの曲が入っていたんですけど、今回はストレートで男臭さを感じたというか。

逹瑯 『シャングリラ』は10数年、いろんな音楽をやってきたことが反映されていて、“どんなバンドなのか分かりづらいMUCC”が分かりやすく詰まったアルバムだったと思うんですよ。逆に今回の『THE END OF THE WORLD』はMUCCのルーツや核になっているものが分かりやすく出たアルバム。

──それは曲調の部分ですか? メッセージですか?

逹瑯 両方ですね。月日を経て表現の仕方、歌い方は変わってきていると思うんですけど、歌詞に対する想いの込め方、向き合い方やヘヴィさはMUCCのコアな部分に近いですね。

ミヤ 分かりづらさが自分たちの個性だって言って活動してきたんですけど、今回はどの曲を聴いても“MUCCってこういうバンドだよね”って思えちゃうアルバム。極端に言うと最初の3曲だけ聴いてライヴに来ても楽しめると思う。

──歌詞はタイトルに象徴されるように今の世界、人間の追い詰められた心理をえぐっているようにも思えたのですが。

ミヤ でも、もう1回終わってると思うんですよ。ゼロまで行ったので、そこより下はないから、この先どうするか考えるっていうのがテーマとしては近いですね。3年前に地震があって、でも、今普通に生きていられる感じが嬉しくもあり、何かがおかしいとも思うし…。表現してるのは個人的な感情よりも違和感みたいなものですよね。

──なるほど。個人的に印象深い曲、思い入れのある曲は?

逹瑯 最後の「死んでほしい人」は“誰だって死んでほしいと思ったヤツってひとりぐらいいるよな”って思ってタイトルから考えたんですけど、歌詞を書こうと思っていた時期にテレビで親が面倒をみないで亡くなった子供たちのニュースが流れていたんですよね。環境を選べずに生まれて死んでいく生命がある中で、自分で選択できるようになるまで成長してきたあなたは今、絶望しているかもしれないけど、どうやって選んで生きていくの?っていう両軸で進んでいく詞になりましたね。“死んでほしい人”っていう言葉を裏返して否定するような曲にしたかった。

──『死んでほしい人』なんてこの世界にはいらない言葉》って歌ってますものね。

逹瑯 自分が納得いくまでゆっくり時間をかけて考えられた詞なんですよ。アルバムに入ることが決まって、個人的に自分が歌いたいことのキモは、この曲で十分ぐらいの勢いだった。

SATOち 俺も「死んでほしい人」ですね。ホールで演奏している景色やいろんなものが見えてきた曲でもあり、ここまでストレートなバラードは初めてかなって。マイナスのイメージの言葉を前向きにとらえられる詞だし、昔、逹瑯が書いていた死のイメージとは違いますね。

YUKKE 僕は「999-21 Century World-」ですね。アルバム曲に詞を書いたのは初めてなので悩みましたけど、今だからこそ、これを表現したいと思って書きました。あと、珍しくギターのリフから作った曲でもありますね。

ミヤ 「369-ミロク-」は5年以上前ならかたちにしていなかった歌詞と曲調ですね。要はサイドメニュー的な曲なんですけど、今のMUCCは「ENDER ENDER」や「死んでほしい人」のように軸になる曲がハッキリしてるので、それ以外のところは遊んでもいいと思っていて…。今って個人で作った音楽を世界中に発信できる時代じゃないですか。そういう背景の中、自粛していないリアルな感情を乗せた曲がサイドメニューにいっぱい欲しいなというのはありました。「JAPANESE」という曲もそうだったりするんですけどね。

──「369-ミロク-」には“氷の世界”というワードが出てきますが、「JAPANESE」にも井上陽水さんの「傘がない」を思わせるくだりが出てきますね。

ミヤ アルバム『氷の世界』が出て40周年で当時と今を比べているのが「JAPANESE」。これだけインターネットが普及しても、変わらないことのほうが多いんじゃないかなって。

──では、最後にまだまだ長いツアーは続きますが、ファイナルの9月23日の国立代々木競技場第一体育館に向けてメッセージを。

逹瑯 ニューアルバムを発売すること自体、すげぇイベントなのに、それすらもすっぽり包み込んでしまうのが『SIX NINE WARS-ぼくらの七ヶ月間戦争-』で。7月からはアルバムのツアーがあるし、8月には9アーティスト([Alexandros]、氣志團、GRANRODEO、BUCK-TICK、シド、D'ERLANGER、ゴールデンボンバー、MICHAEL、geek sleep sheep)の強敵たちとガチンコで2マンをやるし、最後の代々木まで突っ走っていくのでアルバムを気に入ったら、遊びに来てほしいと思います。

取材:山本弘子

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