2013-08-22
【GALNERYUS】今の俺たちだからこそ聴かせられる音がある
メジャーデビュー10周年プロジェクト第二弾は、SHO(Vo)加入以前の楽曲が、現在の布陣によって“アップグレード”されたリアレンジ・アルバム。“本来あるべき姿に戻った”楽曲群は、GALNERYUSの過去、現在、未来をつなぐ道標だ。
──前作『THE IRONHEARTED FLAG Vol.1 : REGENERATION SIDE』はセルフカバーでしたが、第二弾は“Vol.2:REFORMATION SIDE”ということで、さらに一歩踏み込んでリアレンジになっていますね。コンセプトと選曲の基準を教えてください。
Syu「根底にあったコンセプトは“今の自分たちなら、もっとこの曲を良く聴かせられるだろう”ということでした。『Vol.2』では現在のメンバーでの新たなアプローチを加えることで、さらに説得力を増すであろうと確信できた曲たちをセレクトしています。その上で、オリジナルバージョンの時には納得いくまでイジり足りなかった要素を、今回はとことん突き詰めようと。結果として、予想していた通り、素晴らしい作品に仕上げることができましたね。これまでこうしたリアレンジ的な作業はあまりやってこなかったので非常に難しい作業ではありましたが、“必ず良いものにしてやる”という強い思いを持って取り組んだおかげで、その通りになりましたね。個人的には「ALONE」が特に気に入っています。今のGALNERYUSにしか出せない、良いアレンジになっていますね。」
SHO「自分としては、僕とTAKA(Ba)さんが入ってからライヴで一度もやったことがない曲もたくさんありますからね。歌詞も変えてますし、新曲を歌っている気分でした。」
──Syuさんはリアレンジを構築していく上で、SHOさんのヴォーカルから受けたインスピレーションはありましたか?
Syu「これはいつも言ってることなんですが、SHOさんの歌唱は本当にクリアーで伸びがあり、そしてパンチが効いているので、実際に歌を聴く前からイメージをしやすいんです。なので、いつも自分の頭の中で鳴っている声のイメージが実際の歌とかけ離れることもなく、滞りなく作業ができました。」
──SHOさんにとっての“ライヴで歌ったこともない、まったく新しい曲”ならではの苦労というと?
SHO「Jun-ichiさん作の「EVEN IF THE DARKNESSCOMES... 」はクセものでしたね。拍子が頻繁に変わるので、油断していると入る場所を間違えるんです。あと、「THEEND OF SORROW」は、元が日本語だったものに英詞を乗せているんですけど、細かい譜割りとメロを間違って覚えてしまっていたんです。それが体に染み込んでしまっていたため、歌入れの時にかなり苦労しましたね。」
──かつてのバージョンを知っている人と知らない人の両方を納得させることを意識しましたか?
Syu「現布陣になってからファンになってくださった方々、そして前のバージョンを好きで聴いてくれている方々ともども、すんなり入り込めるようにすることが重要だったので、その点はプロデューサーの久武頼正さんとめっちゃ考えました。」
──一部、キーが変わった曲もありますね。
SHO「「THE END OF SORROW」ではキーが上がっています。元の「THE AWAKENING」のキーのままだと出だしが低く、僕の声のマイク乗りが悪かったので。「ALONE」はテンポ感が変わっていますね。最初のツアーの時に演奏していて、僕のヴォーカルで再録してほしいというリクエストを頻繁にもらっていたんです。」
──曲タイトルと歌詞を一新したことも、『Vol.1』との大きな違いです。
SHO「曲が新たに生まれ変わったということの最も象徴的な部分ですよね。ただ、歌詞の中にはオリジナルバージョンのまま残っている部分もあるんです。原曲のほうでメロディーに対して乗りが良くて、耳にスッと入ってくるような部分はあえて残しているんです。例えば、「THE SIGN OF THE NEXTGENERATION」では“Sign”という単語を残したり。Syuくんが歌詞を書いた「ALONE」も、元の曲の歌い出しが“Alone”で言葉の乗りが良かったということでしょうね。」
──良い部分はそのまま引き継ぐ、といことですね。
SHO「とは言うものの、詞を変えると、いくら意識していても譜割りが若干変わってしまい、ひいてはメロディーも変わってしまうんです。Syuくんは“変えちゃってもいいですよ”と言ってくれるんですけど、彼が特にこだわりを持っているメロディーというのもあって、そういった部分は“そこは変えてほしくない”となることもあるので、なるべく元のメロディーのニュアンスを変えないように単語を選びました。自分の英語力ではこれがなかなか大変な作業で、アメリカ生活が長かったTAKAさんに指導を仰ぎました。」
──過去、現在、そして未来をつなぐという意味で、デビュー10周年プロジェクトに相応しいアルバムとなりましたね。
SHO「『Vol.1』と今回の『Vol.2』ともに、過去の曲を知らない人には新曲として聴いてもらえると思います。昔からGALNERYUSを聴いている人は、どうしたって聴き比べるでしょうから“今の俺たちはこれです”としか言えないですよね。両方とも現状のGALNERYUSを適切に表現できていると思います。」
──9月から10月にかけては全国ツアーも決定していますね。どんな部分を期待できそうですか?
Syu「とにかく“やりたいことをしっかり具現化すること”ですね。楽しみにしていてほしいです。10月14日の渋谷公会堂公演はツアーファイナルということもあり、メジャーデビュー10周年の今年を締め括るに相応しい、特別なライヴにしますので、ぜひ遊びにきてください。」
SHO「もう曲順もあがってきているんですが、非常に濃厚です(笑)。これまでのツアーでは一番盛り上がる場所できてた曲が、今回はつなぎとして入ってたり。前ならこの曲で燃え尽きて良かったのに、燃え尽きれないんだなーって(笑)。今回のアルバムの曲をツアーでやるのは恐ろしいですね。どれもひと筋縄ではいかず、必ずどこかにワナが仕掛けられているので(笑)。」
取材:金澤隆志
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