2011-11-20

MERRY、今のMERRYはきれいな蝶になる前のサナギ

 移籍後、コンスタントに発表し続けるシングルも第三弾目。カップリングにセルフカバーを収録する本作にもさまざまな新たなる挑戦があった。そこから見えてくる“現在のMERRY”とは?
2010.11.20
取材:土内 昇 / Vol.75 Interview /

──移籍第三弾シングル「夜光」が完成しましたが、刺々しくアグレッシブな第一弾、静と動が交錯する第二弾ときて、第三弾はメリーの持っているポップな部分を出したという感じですか?

ガラ おー! 前の取材ではメリーっぽくないと言われたんですよ(笑)。

──原点回帰ではなく、『アンダーワールド』というバンドサウンドのアルバムを作って、その後にライヴハウスを回ってライヴを積み重ねてきたという経緯があって辿り着いたサウンドという印象を受けましたよ。バンドとしてビルドアップしたからこそ、無駄なものを削ぎ落ちてポップな部分が出てきたというか。

ネロ そう感じられたのもすごく分かりますよ。

ガラ 僕らの中では3枚出すことは分かっていたので、打ち込みを詰め込んだ1枚目があって、静と動の2枚目があって、3枚目はシンプルっていうテーマがあったんですよ。で、ストレートな中にもエモーショナルな熱い部分があるものっていうのを、最初に結生くんに言ってたんですね。まさかこんなにダークになると思ってなかった…

結生 ポップっておっしゃってましたよね。だから、人によってはダークでも、それをポップに感じるという(笑)。原曲はほんとシンプルだったんですよ。そのストレートなものに今のMERRYはどこまで肉を付けられるんだろうって。結構、挑戦でした。作曲のクレジットは“結生”ってなってますけど、メンバー全員の力を借りたところがありますね。

ネロ ここまでシンプルだと、最初は恥ずかしかったですね。でも、シンプルだからこそバンド内で闘う…そういうバンド内の良い葛藤が音になっていると思いますね。だから、ドラムも今まで以上にドライブしてます。

テツ ストレートに聴こえるところってリズム隊の役割が大きいのかなって思うんですね。リズム隊がドライブしていないと曲が活きないと思うんで、結構責任が大きいなって。最初に聴いた時にすごく突き抜けた曲だなって思ったんで、そこに今のMERRYの退廃感を乗せるとどうなるんだろうっていう期待感もあったし。

健一 まず初めにギターアレンジは自由にやらせてもらいましたね。カッコ良いものを意識しすぎると盛り込んでしまうんですけど、そういうところは結生くんがうまくまとめてくれて、いい感じにできました。

結生 リズムがシンプルにドライブしているので、ギターでどれだけ遊べるかっていうところもあって…ギターは結構難しかったですね。イントロのフレーズに関しても、あれって何十バージョンもあるんですよ。インパクトとマニアックさ、カッコ良さとストレートさの葛藤がいろいろあって…

ネロ 何十パターンもあるんですけど、僕が聴くとそんなに変わってないんですよ。だから、そこがこだわりなんでしょうね。

──歌詞は自分の居場所を探して自問自答しているような印象があったのですが。

ガラ 今はそこに行き着くのかなって。テーマ的には“鳥籠”というものがあったんですよ。鳥籠の中の鳥は籠の中でご飯をもらって生きているけど、それが幸せなのか、外に出たほうが幸せなのかっていうのは鳥にしか分からないし、そこから出ようとしようがしまいも鳥次第で…それを人の心と結び付けたというか。本音の部分って絶対に他人に隠していたりするじゃないですか。だから、籠の中の鳥と気持ちの中の本音をイコールさせて歌詞は書きましたね。自問自答している歌詞になっているんで、“遥か遠く近い自分の心は何処に?”っていうことを自分に訊いてしまっているんだと思います。オチがないんですけどね。答えがない。でも、今の僕が思っていることが書けたと思っていて…気楽に生きている人なんていないって思うんですよ。みんな迷って、考えて、もがいて生きていて、その中で答えを探していると思うんですね。だから、歌詞の世界から言えば、「クライシスモメント」からつながっているのかもしれない。

──でも、“月明かりの下”ということは、悩んでもがいているけど、暗闇の中ではないんですよね。ということは、月というのは希望か何かの象徴かのかなと。

ガラ 深いっすね(笑)。それは、月明かりの下にいたいっていう願望があるのかもしれないですね。希望を感じていたいっていうか。“夜光”っていうタイトルもいろいろ考えた結果、出てきたんですよ。暗闇の中に黒猫とか鴉がいると、目だけしか光ってなくて、向こうから見えているんでしょうけど、こっちからは見つけづらいじゃないですか。そこが心の中を他人には見せないっていうところにつながっているというか。だから、心の葛藤みたいな歌詞になってるんですよね。もしも自分が鳥籠の中の鳥だとしたら、今ってどうなんだろうって。

──そこの答えが出ないまま歌詞は終わっていると。

ガラ そうなんですよね。まだ希望に向かっている途中なんで、あと何年かした時に“鳥籠の中の鳥だったね”って言われるか、“ちゃんと独り立ちして、飛び立ったね”って言われるのかは、これからの僕らの活動次第ですね。

──通常盤には「夜光」のリミックスが入るんですよね。

結生 「夜光 -TAIHAI mix-」が3曲目に入いるんですけど、期待しておいてほしいですね。ただのリミックスじゃなくて、このために歌も録り直しているので、まったくの別モノだと思ってもらっていいです。この曲の肝となっているストリングスがメインになっていて、そこに打ち込みのリズムが入って、アコギが乗っかってくるという…かなり斬新な構成になってます。

ガラ 出口のないダークさはありますね(笑)。

結生 かなりマニアックになものになってますね(笑)。

──2曲目の「ロストジェネレーション -replay-」は「ロストジェネレーション」のセルフカバーなのですが、なぜセルカバーをやろうと?

ネロ いつでも昔の曲がプレイできるバンドでいたいっていうのがあって。10周年イヤーに入るっていうのもそうだし。でも、一番の理由は今の音像で録ってみたいなって。だから、“replay”って付いてるんですよ。

結生 「ロストジェネレーション」って今のMERRYと近いものがあるんですよね。今のMERRYが出そうとしている無期質感であったり。だから、今録り直しても違和感がないだろうし、今後のMERRYの楽曲としても必要だった…もう一回作品にして浸透させるというか。そういう意味でも、原曲のかたちで録り直したんですけど、僕らの気持ち的には全然違うんですよ。

健一 パッと聴いた感じは原曲と違いはそんなにないんですけど、実際には細かいところがいろいろ変わっているんですよ。それって聴くよりもライヴで感じてもらったほうが分かるのかなって。だから、今回のシングルってひとつの作品として、すごくまとまっている感じがしますね。曲が持っている雰囲気もパンクっぽい要素があって、ライヴが見えるものなったし。

──そういう意味では第三弾として、いい流れの中で今作はMERRYらしい部分が出せてますよね。

ガラ そこは自分たちでも試行錯誤しながら、今できる最高のかたちのものを残せてきていると思いますね。第一弾、第二弾とそれぞれの作品に意味があるし、それを無駄にしないように次ぎにつなげていっているというか。だから、メンバーともよく話すんですけど、“今のMERRYって蝶になる前のサナギだよね”って。サナギって芋虫みたいでグロテスクなのに、それがきれいな蝶がになるわけじゃないですか。まさに、今のMERRYはそういうものだと思うんですよ。きれいな蝶になるためにもがいているっていう感じですね。アルバムが出来上がって孵化した時に“こういうことだったんだ!”って分かってもらえたらいいなって思ってます。

──まずはその前に12月には阪名でのライヴがあって、暮れには『MERRY SONIC』があるわけですが。

ガラ もう10周年目に入っているので、それを一緒に祝ってもらうっていうか、ファンの人も僕らと一緒になってMERRYを楽しんでもらえればいいなっていう感じですね。『MERRY SONIC』は内容を“白い羊”と“黒い羊”で分けいるので、一日でふた通りのMERRYを楽しんでもらえるお祭りにしたいと思っています。

取材:土内 昇

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