2014-10-03

ザ・クロマニヨンズ、個性の違う12曲をまとめて“GUMBO INFERNO”

 8枚目のアルバム『GUMBO INFERNO』が完成。先行シングル「キスまでいける」を含む全12曲は、彼らの持ち味であるシンプルなバンドサウンドを前面に打ち出し、楽曲の持つ強いインパクトを爽快なビートに乗せて届けてくれる。ロックンロールの王道であり、普遍的な輝きに満ちたアルバムだ。

【メンバーが初めてその曲を聴いて30分後にはもうこのかたちになっている】

──ほぼ1年半振りのアルバムですけど、作り方はこれまでと変わらないですか?

甲本 うん、何も変わらないよ。

──ふたりが半分ずつ曲を持ち寄って?

甲本 1日に4曲ずつぐらい。それで3日間ぐらいでかたちは出来上がるよ。

真島 いつもと同じ感じですかね。

──調子の善し悪しが作るペースを左右しないですか?

真島 調子が上がらなかったら、別にレコードを作らないでもいいじゃないですか(笑)。人のためにやってるわけでも、強制されて作っているわけでもないから。

甲本 “曲ができたから集まろう”って。そのペースが落ちたら、ゆっくりやればいいし。

──曲を出す時は短期間に集中して作るのですか?

真島 “作っている”というより、日々の中でできるんですよ。作ろうと意気込まなくても、散歩している時、トイレに行ってる時にパッと頭に浮かんだりするのをまとめて、“あ、できたな”って。だから、アルバムを作るから曲を作るとか、そういうことではないですね。頭の中で落書きが溜まってきて、曲になって、それが溜まったら、じゃあレコードにしてみようっていう感じです。

──毎日の生活と結び付いていますね。自然な流れで?

真島 うん。自然なんじゃないかな。これから曲を作るから滝に打たれようとか、そういうことしないし(笑)。

甲本 僕は、いつできているか分からないんですよ。ほんと、びっくりする。“いつ作ったんだろう、こんな曲”って思うもん。気付いたら、ある。良かった。不思議ですね(笑)。

──ここ最近はコーラスの入る曲が増えていますよね?

真島 コーラスを入れるの、楽しいんだよね。

──曲を作っている時にコーラスを入れるイメージがあるのですか?

真島 ある時もあるし、全然ない時もあって。ベーシック録ってから、ここにこんなコーラス入れたら面白いんじゃないかなっていう時もあるし、それはいろいろです。半々ぐらいじゃないですか。前もって自分の頭の中で鳴っている時もあるし、実際にバンドで音を録って鳴り始めることもあるし。

──コーラスが入ると、一気に全体の熱量が上がりますね。

真島 やっぱり人の声って一番パワフルですからね。

── 「スパーク!」はユニゾンもあるけど、ハモってますね?

甲本 成り行きですよ、その場のノリで。“ハモってみよう。わー面白い、ワハハ”みたいな。

──バンドで合わせた時にサウンドのイメージが変わることもあるのですか?

真島 それもいろいろです。みんなのところに持って行く時に、“絶対ここはドラムのこういうフレーズが鳴っていてほしい”という時もあって。“ここはブレイクして、このフレーズをドラムが叩く”というのが頭の中で鳴っている時もあるし、ベースのフレーズが鳴っている時もある。何も鳴っていない時もあって、ただその歌を持って行ってバンドのみんなが合わせていくうちに見えてくることもあるし。

甲本 そんなに極端に変化しないですね。ただやるだけだもん。“曲ができたよ、やってみよう”ってバーンってやると、何となくそれでいい気がするんですよ。メンバーが初めてその曲を聴くところから始まって、30分後ぐらいにはもうこのかたちになっている。だから、1日4曲ぐらいは平気でやれちゃうんです。晩飯前に帰ってますからね(笑)。

【お客さんを前にした時の独特のテンションがあるからライヴは楽しい】

──「ルル」はベースのリフが印象的でした。

甲本 ちゃんと覚えてないけど、あれは最初から鳴っていた気もするんだよね。“こうしたらどうだろう?”って。

──そういうふうに、この曲にどうしてもこのフレーズを入れたいっていうのはあるのですか?

甲本 すごく覚えているのは、「ウォルターに一撃!」のハーモニカのリフ。あれはあったよ。あれが吹きたかった。「ダイナマイト・ブルース」もあのリフが吹きたかっただけ(笑)。あれだけと言っても過言ではない。

──リトル・ウォルターはヒロトさんの好きなアーティストだと思いますけど?

甲本 普通に好きですよ。

──ここで出てきたのは何か理由があるんですか?

甲本 何でかな、特にリトル・ウォルターっぽいフレーズも吹いてないんだけど。以前に“サニーボーイ”って歌いながら(「底なしブルー」)、サニーボーイのフレーズが出てこないこともあった。関係ないですよ(笑)。ハーモニカ吹くの、楽しくて好きですね。

──マーシーさんのギターソロもその場でひらめくこともあるのですか?

真島 そういう時もあるし、バンドでやって鳴り始める時もある。

甲本 どの曲か忘れちゃったんだけど、スタジオに入ると、マーシーが“この曲のギターソロを先に録音させて”って。どうしたのって訊いたら、“昨日、お風呂に入っていて急にそのフレーズを思い付いて、泡だらけで出てきて忘れないように録音して、またお風呂に入った”っていう話をしててさ。“思い付いたばかりだから、忘れないうちに弾かせてよ”って、何かのソロを弾いたことあったよね。今回じゃなくていつかのレコーディングだったかもしれないけど(笑)、それがいいフレーズなんだ。

真島 全然覚えてない(笑)。でも、何かのきっかけで出てくることってあるよね。

甲本 考えてないつもりの時にポッと出てくる。考えるのをやめた時に出てくるとか、そういうのがあるんですよ。

──バンドのレコーディングは早めに終わって?

甲本 2月中に録音は終わっていて、3月にミックスやマスタリングの作業に入ったんですけど。ローリング・ストーンズが来日する前に全部の作業を終わらせたかったんですよ。

真島 それまでに終わらせておかないと、心置きなく観れないじゃないですか(笑)。

──ちなみに、ストーンズの来日公演は3回とも行かれたのですか?

甲本 うん、面白かった。今回は全部表情が違っていて。

真島 最高でしたよ。過去と比べたりはしないけど、今回は最高。

──今回のレコーディングで印象に残っていることというと?

真島 覚えてないんだよね、ほとんど。

甲本 2月だからね。ドキュメンタリー撮ろうと思ったら大変なことになりますよ、撮れ高がなくて(笑)。

真島 ドラマチックなこととか熱い出来事とか、一切起きない(笑)。

甲本 ミーティングもしない、曲についてのアレンジとかまったく話し合わない(笑)。

──あっと言う間に終わったのですね。いつもレコーディング後の晩御飯を楽しみにしているという話でしたけど。

甲本 今回は回転寿司が多かったな。そのぐらいは覚えている(笑)。

真島 でも今回、あまり食べなかったんじゃない?

甲本 回数的にね。そこは混雑するんですよ、家族連れとか来るから。5時前に行きたいんです。作業が始まるのが2時なんですけど(笑)、3時間ぐらいでパパパって録って、“今日はここまででいいんじゃないかな、だって3曲録ったもん”って自分たちに言い聞かせて(笑)。“ノルマは十分だよ、飯食う権利がある”とか言って(笑)。でも、毎回そんな感じだから。

真島 だいたい、スタジオの近所にある店に行くんですよ。それが今回は回転寿司だった。

──特にこれを頼みたいネタ、外せないネタは?

真島 期間限定の品。これが結構いいんですよ(笑)。厳選されたネタで。最近はどこもわりと水準高いですよね。

甲本 期間限定はいっときますね。あと、変なのも好きで。豚の角煮が乗っていたり、チャーシューが乗っていたり(笑)。しかも、ある品でマヨネーズが多いからマヨネーズ抜きでって頼んだら、マヨネーズだけ乗って出てきた(笑)。これが最高の面白エピソードですよ(笑)。

真島 あと、ガリをお代わりした。席に着いた時にはパンパンに入っていたのに。

甲本 自分の注文が回ってくるまで、ダベりながらお茶飲んでガリを食ってるんですけど、気が付けばひと壺なくなってた(笑)。

真島 そういうことは覚えてる(笑)。

甲本 しかも、今回だけじゃなく、どのレコーディングの時もそういうことを繰り返しているから(笑)。

──(笑)。“GUMBO INFERNO”というタイトルは、どういういきさつで付けたのですか?

甲本 成り行きで、みんなの雑談の中で出てきて。特にアルバムにテーマがあるわけでもないし、曲同士が響いているとしても図らずも響いているわけで、響き合わせようと企んでいるわけでもないから、本当にバラバラの12曲なんですね。それをまとめてひとつの名前で呼ぶのは不可能なんです。その不可能にチャレンジするんですよ、毎回(笑)。そうすると苦しまぎれで、何でもいいことになるんですけど。でも、決めたことで楽しみが増えるんです。“GUMBO INFERNO”になったからジャケットはこんなのにしよう、ツアーはこんなふうにしていこうって後付けで広がっていけるから、苦しんで良かったです(笑)。

──ジャケットを見ると、文字通りガンボ・スープのようにグツグツ煮えて、闇鍋のようになっていて。

甲本 まさに闇鍋ですね。中から具がちょろっと見えてる(笑)。

──その熱がいろいろな曲に共通しているのが感じられますね。10月からツアーも始まりますけど、今回もすごい本数で。

真島 ツアーの内容はまだ何も決まってないけれど、たぶんアルバムからの曲はやるんじゃないですかね。

甲本 まず、曲を思い出さなくては。コピーバンドみたいに。

──前半はライヴハウスで後半はホールがいくつか決まっていますが、会場の差はあまり気にしないですか?

真島 そこは気にならない。どこでやろうと。

甲本 楽しみです。僕は演奏するということで、楽しさとか喜びを受け取っているんです。“お前らみんな楽しませてやるぜ!”っていうよりも、“うわー! 楽しみたい”っていうのが未だにあるから。自分が楽しみたい。ライヴはすごく楽しみですね。

── その楽しさがこれだけの本数あるといいですね。

甲本 最高でしょ。バンドを応援しに来るんじゃなくて、みんなはみんなで心から楽しんでほしいですね。応援するのが楽しい人もいるかもしれないけど、いろんな人が観に来て、いろんなふうに受け止めてもらえれば。

──それが一体となって、闇鍋になるような?

甲本 地獄のように楽しいライヴになりそう(笑)。でも、アルバムはほとんどライヴと同じようにレコーディングしていて。せーので全員が録るわけだから、ライヴでメチャメチャ変わったりはしないけど。それでもステージに乗っかって、お客さんを前にした時の独特のテンションってあるから、楽しみですね。

取材:岡本 明

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