2013-10-30
【BUMP OF CHICKEN】武道館公演で約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『RAY』のリリースを発表
10月29日に日本武道館で行われた「BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR "WILLPOLIS"」にて、オリジナルアルバム『RAY』のリリースが発表された。
全国7都市11公演で開催、約10万人を動員したツアーのファイナルとして、バンド史上初のステージとなる日本武道館2DAYSを選んだBUMP OF CHICKEN。各日9000人のファンが詰めかけたほか、チケットを手に入れられなかった大勢の人が会場周辺に集まり、4人の晴れ舞台を見守った。
ライブは、ステージを覆う紗幕に映し出される映像からスタートした。これは、前ツアー同様に映画監督の山崎貴が制作したもので、「WILLPOLIS」=ひとつの街に到着する過程をファンタジックなテイストで表現。観客を「WILLPOLIS」の世界に誘う役割を担っていた。そして紗幕の後ろに登場した升秀夫(Dr)が力強く叩き出すフロアタムの音を合図に、メンバーが次々と登場する様子を緑と赤のライトで鮮やかに描き出す。増川弘明(G)の奏でる高揚感あるギターのアルペジオにあわせ、直井由文(B)が軽やかに手を打ち鳴らす。そして藤原基央(Vo, G)が右手でギターを高く掲げ「Stage of the ground」を歌い出すと、その声にあわせオーディエンスがザイロバンドをつけた腕を高らかに振り上げ、それに呼ばれるように銀テープが発射されアリーナ上空を舞った。
前半は、ステージ後ろに掲げられた大型スクリーンを使った演出も目を惹く曲を連続投下。直井の「みんな一緒に!」という声から合唱が起こった「firefly」では、発光する「チームラボボール」が投げ込まれスタンディングエリアを浮遊。加えて「虹を待つ人」では、上空から七色の紙吹雪が降り注ぎ、4つ打ちのリズムと相まって華やかな雰囲気を作る。かと思えば、中盤では懐かしい曲と新しい曲をまんべんなく演奏する下りも。「アルエ」ではストレートなロックサウンドをかき鳴らし、続く「ゼロ」では哀切を感じさせるサウンドとスクリーンにモノクロで投影されるメンバーの様子が壮大な物語を紡ぎ出した。
また、他の公演ではサブステージに移動してアコースティックセットを披露していたブロックは、この2DAYSのみスペシャルな趣向を凝らしたコーナーに。ひとつは「演奏するのが十何年ぶり」というレア曲の演奏で、初日は「リリィ」を、ファイナルは「とっておきの唄」をプレゼント。演奏の前には直井がこれまでBUMP OF CHICKENとして歩んできた道のりを振り返り、ベスト盤をリリースできたことに対する感謝の思いを明かす一幕もあった。
そして、もうひとつはまっさらの新曲の初披露だ。藤原が「レコーディングをコンスタントに続けてきて、みなさんに聴いてもらっていない曲があって。その中から今日は新しい曲を聴いてもらいたいと思っています」と口にすると、どよめきが上がった。さらに曲名が「ray」であるという発表に続き「昨日は言わなかったんですけど『RAY』って、こちらは大文字で表記するアルバムを出すことになりました」と告げると、悲鳴のような歓喜の声が湧き、同時に大きな拍手が起こる。その拍手は長い間鳴り止まず、藤原は「ありがとう……思わぬところで泣かされそうになった(笑)」とこぼした。
ライブ本編は、再び「チームラボボール」と紙吹雪、そして金テープがカラフルな空間を作り出した「天体観測」、楽しそうに歌う数々のオーディエンスの姿をスクリーンに映した「supernova」でフィニッシュ。メンバーは思い思いの挨拶を残し、舞台袖へと消えていった。しかしすぐに起こったアンコールを求める歌声に呼ばれ、バンドは再登場。直井が改めて今日というかけがえのない日への感謝を口にし、さらにアルバムについて「2014年1月下旬ぐらいに発売です。でも、さっき演った『ray』って曲、まだ完成してないです! 武道館前日までレコーディングしてたもん」と笑いながら話すと、観客から驚きの声が上がった。
また「真っ赤な空を見ただろうか」の演奏後には、藤原がこの日音楽を演奏できた喜びと、それを熱心に聴いてくれた場内全員への熱い感謝の思いを吐露。「僕たちの中では(ツアーの)1カ所1カ所がかけがえのない思い出になりました、どうもありがとう!」という絶叫に、オーディエンスも力の限りの拍手で応える。それを受け、「本当は終わりたくないけれど、心を込めて歌います!」と始められたのは「宇宙飛行士への手紙」。人生の一瞬一瞬を切り取るように丁寧に情景が歌われる歌詞が、優しくきらびやかなサウンドとともに届けられ、ツアーの終わりを優しく包み込んだ。メンバーは名残惜しそうに楽器を下ろしたが、その背中に容赦なくアンコールの拍手を浴びせる観客。戸惑いながらその場に留まるも、意を決したように4人が再度楽器を手にすると歓声が湧く。そして鳴らされたのは「ガラスのブルース」。曲中で藤原は何度も「ありがとう!」と声を上げ、増川、直井、升は力の限り音を鳴らす。この日のステージの思いを精一杯込め、ラストナンバーを観客1人1人に届けた。
そして最後にもうひとつプレゼントが。メンバーがステージを去ったあとに、スクリーンにてオープニングの続きとも言える映像が上映。街に到着した飛行船が再び空に浮かび、次の目的地を目指す様子が描かれると、オーディエンスから自然に拍手が発生した。続けて、直井がステージ上から写した記念写真が投影されると、大きな歓声が場内に響いた。
前作「COSMONAUT」以来、約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『RAY』は2014年1月下旬にリリース予定。映画「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~」主題歌の「友達の唄」、マンガ家・井上雄彦氏とコラボレーションを果たした「Smile」、ゲーム「FINAL FANTASY 零式」テーマソングの「ゼロ」、映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」主題歌の「グッドラック」、フジテレビ系ドラマ「息もできない夏」の主題歌「firefly」、映画「ガッチャマン」主題歌の配信限定シングル「虹を待つ人」、そして新曲「ray」を含む全13曲を収録する予定だ。リリースの詳細は後日告知されるので、楽しみに待っていてほしい。
■アルバム『RAY』
2014年1月下旬リリース予定
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