2015-10-30

ν[NEU]の前身バンドとなったHeaRt 復活に至るまでの道のりを激白!?あの失踪事件の真相も…!?

12月6日(日)柏ThumbUpを舞台に、「同窓会」という冠のもとHeaRtのワンマンライブが行われる。
HeaRtとは、昨年12月29日に渋谷公会堂で行ったワンマンを最後に開催したν[NEU]の前身となったバンド。HeaRt自体も第一~二期と一部メンバーを入れ換えながら活動を行っていた。今回のライブには、「HeaRt第一期メンバー」であった准(Vo)/昴(G)/kt(G)/ヒィロ(B)/由希(Dr)の5人が集結する。
このメンバーが一堂に会しライブを行うのは9年ぶりのこと。この9年の間、メンバーの中には様々な心の葛藤が起きていた。以下へ、そのときの想いをインタヴュー形式で記しておいた。                             

とある日に何度も着信があったんですよ。その用件がメールではなく頻繁に電話でくるということは、「誰か身内に事件や不幸があった??」と想像してしまうじゃないですか。だから「どうした、誰かに何かあった!?」と連絡を入れたら…。

       
――このメンバーが揃ったのは何年ぶりになるんですか!?
ヒィロ この5人としては9年ぶり??
由希 そうだね。それぞれ個別にはもっと前から会ってはいたけど、この5人でとなると、そうだろうね。
kt HeaRtとしては一番レアキャラな昴も並んでるからね。
ヒィロ 彼が、一番最初にHeaRtを辞めてるからね(笑)。

――なぜ、第一期HeaRtのメンバーでふたたびライブを行おうとしたのか!?。まずは、そこから教えてください。
ヒィロ 昨年、メンバー全員納得したうえでν[NEU]の解散を決めたとき、僕の中に芽生えたのが、ν[NEU]としての活動を心残りなくやり抜くことはもちちろん。「自分の音楽人生の中、これまで心のしこりとしてあったことを全部解消しよう」という想いでした。
そう決めてから、いろんな人たちと。それこそ、僕が音楽へ携わっていく中で大切なきっかけとなった人たち全員と会い始めたんですね。そんな中、僕の中では絶対に会っておかねばならないと思っていたのがHeaRtのメンバーなんです。

――ν[NEU]始まりのバンドですからね。
ヒィロ そうなんです。じつは、何年か前から僕以外の4人が集まってHeaRtのセッションバンドをたまーにやっている話は聞いてたんですね。それに対していろいろと思うことはありながら…。
でも、先に言ったことも思い始めていた矢先、本当に偶然というか、運命だったのか、街中で偶然にも昴と会ったんです。そこで僕は数年ぶりに彼と話をし、互いに連絡先を交換。そこが、今に至るHeaRt結成の最初のアクションを起こすきっかけになりました。

――4人は、前から一緒にセッション活動をしていたんですね。
と言っても、ここ3年くらいの中で、3回程度ですけど(笑)。じつはこの4人が再会したのも、ν[NEU]がきっかけなんですよ。

――それは、どういうことですか??
もう4年前になるのかな!?ν[NEU]がインディーズラストライブを渋谷クアトロでやるときに、昔のスタッフさんから「HeaRtにとっても思い出深い場所でもある渋谷クラブクアトロでν[NEU]がワンマンライブを行います、良かったら観に来てください」と誘いを受け、それで観に行ったんですよ。そのときにktも観に来てて、そこで再会後、互いに連絡先を交換し、ちょくちょく会うようになったんです。そうこうしてるうちにね…。
kt ヴォーカルの准くんは、失踪して以降、誰も彼の連絡先がわからなくなっていたことから、それまで一切連絡を取る術を失っていたんですけど。僕がlineを登録したときにたまたま准という名前が出てきて、「えっ、もしかして!?」と思い、「あの准くん??」と連絡を入れたら、「あっ、元気!?」と返事が返ってきたんですね。僕らからすれば、「准が生きていた」という嬉しい驚きだったことから、呑みに誘い出しました。それで、なぜか渋谷のハンバーガーショップで2人で会って。そのときで5年ぶりくらい??
そうだね。
kt そのときに、昴と由希さんを「准がいるから、一緒に軽く呑もうよ」と誘い出し。ヒィロくんに関しては、そのときν[NEU]をやっていたし、彼自身いろいろ心にしこりを持っていたんで声はかけなかったんだけど。4人で久々に集まり「また4人でライブが出来たら面白いよね」という話になったことが、4人でセッションライブを行うきっかけになりました。
由希 久々に集まったと言っても、昴が合流したのが21時頃で、俺なんか深夜0時半頃。本当は別件が忙しくてそれどころじゃなかったんだけど、「准くんがいる」ということで用件をなんとか片づけて渋谷まで足を運んで。久々に会うせいか、みんな妙に照れてしまってたよね。

――でも、再会してしまえば…。
由希 そんな隔たりも関係なくなり。そのときに「HeaRtの曲でセッションライブをやろう」という話になり、やることを決めたはいいけど…。
kt 約束したはいいけど、それぞれに日々背負っているものがあり、なかなか話が進まず。「スタジオに入ろう」の話さえ進まない環境の中、ようやく約束から一年以上を経過して4人でセッションライブをやったんですよ。その後も継続的にセッションライブを行ったとは言っても、良くて半年に一回くらいのペースで、演ったのも三回でしたけどね。
みんな身体が重くて。なので、先にスケジュールを決めてしまい、「やる」という意志を持ってやり続けてはいたんだけど…。
kt そんなときに、ヒィロくんが「HeaRtでライブをやりたい」と声をかけてきて…。
ヒィロ 4人がセッションライブをやっている話は、先にも語ったよう知ってはいたけど。僕だけがずっとその時間軸が止まっていたんですよ。じつは、「その4人がセッションバンドとしてHeaRtの曲を演奏する」という話を遠巻きに耳にしたとき、僕はまだまだ血気盛んで、いろんなことに熱がありすぎるくらい熱を持っていた頃。
だから、ν[NEU]のメンバーであり、二期以降のメンバーでもあったReiさんに「あの4人がHeaRtのセッションライブをやるという話、聞いてますか!?。ふざけてますよね」と怒りに任せ言いました。そうしたら、Reiさんは「なんか面白そうだね」と冷静に声を返すわけですよ。だけど、僕は一人心の中で「絶対許さない!!」と叫んでいた。なので、HeaRt時代からν[NEU]に至るまでずっと面倒を見てくれていた事務所の代表に「4人にライブやらせていいんですか!?」「殴り込みにいってきます!」とめっちゃキレてけしかけたら、代表も「みんな大人なんだから、静かに見守ってあげよう」と言うわけですよ。でも当時の僕はまだ子供だったんで、「そんなの納得いかないっすよ」とめっちゃキレまくりながら。それから3年くらい経過していたんですね。

――それが何故に、急に心変わりを??
ヒィロ 音楽活動を長く続けていくと、心境にもいろんな変化って現れるものなんですね。ν[NEU]の解散を満場一致で決めたときから「誰それがいたからこそ、今も音楽をやれているんだ」など、自分の音楽の原点をいろいろ考えるようになった。それが、先に言った、「いろんな原点となる人たちに会おう」という行動へと繋がり。そのうえで出てきた「絶対に会わなきゃいけない人間がいる」という想いから、HeaRtのメンバー(准)に逢いたいとなり、連絡先を交換した昴に「なんとか准に会えないか!?」とコンタクトを取りました。それで、実際に准と会ったのが、ν[NEU]の解散から1ヶ月くらい前のこと??
そう。先に僕とヒィロと、互いに共通の友人とで下町で呑んでて。そこへ准に来てもらったんだよね。
ヒィロ 僕は、そのことを聞いてなくて。僕は単純に、仲間たちと忘年会も兼ねて呑んでたんです。そうしたら、いきなり見たことある人間が暖簾を分けて「お疲れ」と入ってきたんですよ。僕、ビックリしすぎて漫画みたいな声を上げ、ポカーンとしていたら、准が「久しぶり、これお土産」とシャンパンをプレゼントしてくれて。きっと昔だったら、会った瞬間「ぶん殴ってやる!」という気持ちになっていたと思うけど。あのときは「生きてて良かったー」という気持ちになっていて。
あのとき、店の前で30分くらい迷ってたんでしょ!?
kt それは道に迷ったではなくて、心が迷ってたってこと??
そのお店は地下にあったんだけど。その階段を降りるか降りれないかで…。
その迷ってる間、ちょいちょい僕のケータイに「着いてるんだけど、どうしよう」という連絡が入るわけですよ。
入ろうと迷いながら、「あっ、手ぶらだ、何かお土産でも買わなきゃ」と、わざわ ざ酒屋までお酒を買いに行ったり。ただ、ヒィロくんは「ポカーンとした」と言ったけど、抱きついても来たよね。
ヒィロ 身体が勝手に反応してましたね。
そのリアクションにこっちも面食らって。でも、その後は普通に呑んで話をして…。
ヒィロ それで、ν[NEU]の解散ライブに由希さん以外の三人と、もう一人の第一期メンバーだった、今ソウイフモノ→サウイフモノをやっているnonoくんを呼んだんですよ。その時点で僕はまだ由希さんとはコンタクトを取れていなかったんだけど。でも、由希さんν[NEU]のライブを観にきてくれたけど、入らずに帰ったんですよね。
由希 入らずじゃなくて、入れずにだよ。僕、関係者として入るのが好きじゃなければ、その空間が苦手なんです。だから、本当に見たいライブはチケットを買って観に行くんですね。ν[NEU]に関しても、解散という話を聴き、ヒィロの最後の雄姿を瞼に焼き付けようと会場に行ったら、すでにチケットがSOLD OUT!!してることを知らず、「当日券は販売しません」と。それで、ライブを観ることなく渋谷の居酒屋で、一緒にいた友人と呑んでいた。そこへ、ν[NEU]のライブを見終えた准が後で合流したという。
ヒィロ その後、僕が由希さんへDMで「言ってくれれば、関係者として入れたのに」とメールを入れたんですね。その返事が来たのが、送ってから1ヶ月以上経ってから(笑)
由希 俺、あまり(twitterを)見ないから気付かなかったんですよ。で、自分も「またライブを見れる機会があったらよろしく」と返事を返したら、そこから一切返事が返ってこない状態で。そうしたら…。
kt ヒィロくんから「由希さんとHeaRtのことについて話をしたいから、コンタクトを取って一緒に会ってくれないか」とメンバー間に連絡が届き(笑)。
ヒィロ すでに由希さんは、僕以外の三人とは繋がっていたし。HeaRtの復帰を画策したときに立ち上げたlineのグループに由希さんも入ってたとはいえ、久しく顔を合わせていなかったんですね。だからこそ、直接一度顔を見て話をしたくて。
由希 だったら、二人で会えば済む話なのに…。
ヒィロ だって、9年ぶりですよ、由希さんとまともに話をするのは。
由希 そうだね。ν[NEU]と、以前に僕のやっていたバンドが同じスタジオを使っていたから、たまにロビーで顔は合わせてたけど、会っても互いに挨拶程度だったからね。
由希 ただ、直接会うまでにも、余計な心配をかける電話が昴から何度も何度も屆いてたっていうか。とある日の夜中とか明け方、さらには朝から午前中にかけて何度も着信があったんですよ。その用件がメールではなく頻繁に電話でくるということは、「誰か身内に事件や不幸があった??」と想像してしまうじゃないですか。だから、電話に出れる環境になってすぐに「どうした、誰かに何かあった!?」と連絡を入れたら、「ヒィロさんがHeaRtをやりたいと言ってるんだけど、やりませんか?」って(笑)。

――そこで、全員が顔合わせをしたわけですね。それは何時頃なんですか??
由希 6月でしたね。

あの当時のことを思い出そうとすると、今でも吐きそうになるくらい精神的に追い込まれていました。

――ここで、一つ聞いておかねばならない話があります。なぜ准さんは、突然ツアーをキャンセルし、失踪したのですか??
ヒィロ これ、今だからこそ笑い話みたいに話せるんですけど。北海道へツアーに向かう日の朝、准と連絡がつかなくなったんですよ。それでも、「後から追いかけてくるだろう」と思い、工程の関係もあったんで先に出発しました。その間、頻繁に連絡を入れても准のケータイは繋がらず。青森に着いて青函連絡船へ乗り込もうとした頃には、准のケータイは解約されていた。でも、残ったメンバーは「行くしかない」と。しかも当時は若かったせいか「余裕だよ」みたいな感じでライブへ臨んだんですけど。やっぱし、ヴォーカル不在での活動は無理だとなり、そのときの全国ツアーを境に、一度バンドの活動を止めました。今振り返ると、准を追い込み、逃げざるを得ない環境へ追い込んだのも。メンバー間に不協和音を作っていたのも、結局はメンバー全員の責任だったんですよね。あの当時の旧ν[NEU]、を取り巻く環境は、まさしくカオスだったからね。
あの当時のことを思い出そうとすると今でも吐きそうになるくらい、精神的に追い込まれていたんです。失踪する半年前頃からいろいろとあり、精神的にも不安定になり、メンバーやスタッフさんどころか、人と話さえ出来ない状態にまで心が陥り、完全に人とコミュニケーションが取れなくなっていたんですね。そんな状態を半年ほど続け、さらにそこへ病気も併発し、自分でも心のコントロールがどうしても効かない状態に陥ってしまった。そこまでになったのは自分でも初めてのこと。それで、あってはならないこと(バンドからの逃亡)をしてしまったという。
ヒィロ あの時期に制作した楽曲の歌詞には、そういう病んでる感が出てたよね。あの当時は、レコーディングでも一人ずっとブースの中に籠もりっきりで歌詞を書いてるか、歌録りをしているか。本当なら、そこで「今の歌良かったよ」とか「この歌詞いいね」と努力を褒めてあげれば良かったんだけど。あの当時のメンバーはみんなそれぞれプライドがあったのか、准くんに限らず、他のメンバーに対しても、一切褒めないどころか、お互いを認めなかった。そんな負の環境の中にいちゃ、繊細な准くんが追い込まれてしまうのもしょうがないよね。

「同窓会」って、"みんなが一堂に会する場"。「同窓会」という文字の真ん中に心(ハート)がある。ハートの元へ僕らも、ファンの子たちも集いましょう。

――紆余曲折ありながら、HeaRtは12月6日(日)に柏ThumbUPで「同窓会」と題したワンマンライブを行います。でも、なぜに柏のライブハウスだったんですか??
HeaRtがワンマンを行った会場の中でも、思い出の強い場所なんですよね。個人的にも、10代の頃に青春を過ごしていた場所ですし、ヒィロとktに至っては。
ヒィロ 地元ですからね。つまり、僕が音楽に目覚めた原点の場所でもあるんですよ。そこに「同窓会」として集いたいなと思って。「同窓会」というタイトルは准くんが決めたんですけど。その理由を聞いて、すごくいいなと思って。
「同窓会」って、"みんなが一堂に会する場"じゃないですか。しかも「同窓会」という文字の真ん中に心(ハート)がある。つまり、真ん中にあるハートの元へ僕らも、ファンの子たちも集おうということから、この言葉がぴったりだなと思って。今回、nonoくんが自分のバンドの都合で参加出来ないけど。同窓会って、かならずしも毎回全員が集まれるわけではない。開催していく中、毎回来る人もいれば、回によっては欠席する人だって出てくる。そういう意味でも、今のHeaRtにぴったりだなと思ったんです。

――ということは、今後も「同窓会」は続いてくということ??
ヒィロ 現状、そこまでは考えられないです。

――HeaRtに期待している声もけっこう多いように、続けて欲しい声も増えているんじゃないですか??
ヒィロ 思ってた以上に反響があったよう、どれだけその想いへ応えていけるかなのが、今の5人が置かれた現状なんですよ。
kt けっして「やりたくない」とかではないんですよ。むしろ、違う問題が…。
ヒィロと由希さんは現役感を持っているようにワンマンのステージでも平気な体力で乗り越えられるけど、フロント3人がね(笑)。
ヒィロ でも、ジムに通って鍛えてるんでしょ。准くんは一気に痩せたよね。
HeaRtとして活動を再開し、具体的に日程や写真の撮影日が決まった以上、みんなの夢を壊したくはないようにみっともない姿は見せられないじゃないですか。なので今、身体を絞ってるんですけど、2ヶ月で7kg痩せました。
ごめん、俺は修正で痩せたわ(笑)。
ヒィロ そこは、ある程度の幻想を期待してくれてる人たちに夢を与えておかないと。
その期待を当日破ってしまうメンバーもいるけどな。でも、同窓会ってそうじゃない 。クラスで可愛かった子が、十数年ぶりに会ったら「えっ!?」となり、あの頃の面影を必死に探そうとしたりさ。
由希 何、自分に言い聞かせようと言ってんだよ(笑)。
それも含めて、みんなで同窓会を楽しんでもらえればいいんだよ。
ヒィロ こうやって音楽活動を続けていくと、どうしても、脱退や活動休止、解散という姿を身近に見ることも出てしまいます。ν[NEU]だって解散という結論を出し、応援してくれてた子たちに悲しい想いをさせてしまったけど。でも、長年活動の止まっていたHeaRtが、一夜だけとはいえふたたび活動出来たのも、残してきたいろんな点が線となって繋がったからなんです。音楽って、そういう一つ一つの悲しい点さえも、何時か笑顔となる線に変えられることもあるんですよ。そういう希望を描く一つのバンドの活動として、12月6日の「同窓会」ライブは、みんなと笑顔で集いながら楽しみたいですね。


TEXT:長澤智典


【ライブ情報】
「 同 窓 会 」
2015年12月6日(日)柏ThumbUp
出演:「HeaRt」(メンバー:准、昴、kt、ヒィロ、由希)
時間:Open 16:00 Start 17:00
チケット代:前売り3500
チケット発売日:11月1日(日)AM10:00より、イープラスにて発売開始

オフィシャルツイッターURL https://twitter.com/HeaRt_1206
オフィシャルツイッターアカウントID @HeaRt_1206
視聴サイト https://soundcloud.com/heart_official_1206

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