2014-01-20
【GRANRODEO】変幻自在の気持ちで弱さをねじ伏せる!
GRANRODEOが2014年第一弾シングル「変幻自在のマジカルスター」をリリース。アニメ『黒子のバスケ』第2期新OP主題歌として話題のこの曲について、カップリング曲について、そして今年の展望を訊いた。
──新曲「変幻自在のマジカルスター」は、GRANRODEOのファンも、アニメ『黒子のバスケ』のファンも、意外に感じるんじゃないかと思いました。
e-ZUKA「まず歌で始まりますからね。構成的に変わったものにしたいというところで、それが一発で分かりやすいのは、やっぱり歌始まりじゃないかと思って。あと、わりとさわやかというか、青春ぽさがあるものにしようと思いました。」
──歌詞がラブソングというのも、最近はなかったですね。
KISHOW「『黒子のバスケ』と言えば“青春”、“青春”と言えば恋でしょう!と。それに、聴いてくれる人も、より取っ付きやすいんじゃないかと思って。バスケ要素としては、歌詞の《Go to guy》が、バスケ用語でチームのエースという意味。それと岡村靖幸さん…あえて岡村ちゃんと呼ばせていただきますが、岡村ちゃんの曲で「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」というのがあって。その曲に《35連敗》という歌詞が出てくるんですが、「変幻自在のマジカルスター」にも35連敗が出てきて…これは、単純に僕が岡村ちゃんのファンで、「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」がすごく好きだったので、遊び心を効かせるという部分で、思い切りオマージュさせていただきました!」
──KISHOWさんのルーツを再発見できるという。
KISHOW「そうですね。青春とバスケというテーマを聞いたら、もう岡村ちゃんしか浮かばなかったくらいなんで。“初恋”と書いて“ファーストラブ”と読ませたり、《peach mind》という歌詞が出てくるところもオマージュです。岡村ちゃんが好きな人なら、“あれあれ?”ってなるんじゃないかな。」
──e-ZUKAさん的に歌詞を読んでの印象は?
e-ZUKA「今、岡村さんへのオマージュという話を初めて知ったので、このインタビューをやって良かったなって(笑)。でも正直言うと、最初は自信がなかったというか、『黒子のバスケ』のオープニング曲にしては弱いかなと、少し不安があったんです。でも、レコーディングの時に、いつもやってくれているエンジニアさんが“いい曲だね?”って言ってくれて。で、“やっぱそう思うでしょ?”って(笑)。あと、《偉大なるマンネリ》って歌詞があるけど、そこはグサッときました(笑)。2番のAメロで止まってオチサビでゆっくりになる構成はお馴染みなので(笑)。しかも“変幻自在”って言ってるのに…(笑)。」
──ああ、確かにそこは矛盾してるのでは?
KISHOW「そういう矛盾を、精神論でねじ伏せるんです(笑)。だけど気持ちはマジカルスターなんだよっていう、弱さを根拠のない自信で覆い隠すっていうことですね。」
──ある意味ですごく人間的だということでしょうか?
KISHOW「そうそう。清濁併せ持っているとか、表裏一体とか。そういう考えが、俺の中には常にあるみたいです。」
──そして、カップリング曲は、GRANRODEOには珍しいシャッフルビートのナンバーですね。
e-ZUKA「“シャッフル”と言うと、KISSの「デトロイト・ロック・シティ」なんかが有名だけど、下手するとチャンカチャンカってお祭りみたいになっちゃうからすごく難しいんです。だから、GRANRODEOでもシャッフルの曲って2曲くらいしかなくて。それが今回、アイウィル(マネジメント会社)のもっさんから、“シャッフルのミディアムテンポで、マイナーの曲が欲しいです!”って言われて。じゃあ、いい機会だから挑戦してみようと思って作ったんです。人によってハネ率が違うから、ノリを合わせるのがすごく難しかったですね。」
──歌詞は、おとぎ話のような感じですね。
KISHOW「曲調的に世界観が出せそうだったし、ダークな雰囲気もあったので、思い切り非現実というか、ファンタジーやおとぎ話的なところを切り口にできないかと。で、『白雪姫』の物語を少し皮肉った感じにしています。まぁ、分かりやすく言うと…GRANRODEO流「ズルい女」みたいな感じですね(笑)。俺的には、《ハコ入り娘》ってフレーズが気に入ってるんですけど、どうですか?」
──どういう部分が気に入ってるのですか?
KISHOW「白雪姫は毒入りリンゴを食べて棺に入ってるわけで、文字通りハコ入りっていう!」
──なるほど(笑)。この歌詞に関しては、メッセージうんぬんよりも、そういう言葉遊びが楽しいですね。
KISHOW「あと、《真紅に焼けた靴を履いて》というのが出てきて。グリム童話ではシンデレラをイジメた罰として、女王様とかお姉さんとかが焼けた靴を履かせられる…それってシンデレラじゃん!っていうツッコミも期待してます(笑)。」
──で、あともう1曲のカップリングは、どんな感じでしょう?
e-ZUKA「当初の構想としては、アダルティーなものをやろうかと思ってたんです。ルーツミュージックまではいかないけど、ジョン・メイヤー風というか、ちょっとブルージーでダンディズムを感じさせるようなっていうか。まぁ、実際どうなるか分からないですけどね(苦笑)。」
──では、リリースを楽しみにしてますので(笑)。で、これが2014年一発目のリリースになるわけですが、このシングルを皮切りに、今年はどんな活動を思い描いていますか?
e-ZUKA「すでに年末近くまで決まっておりまして。」
KISHOW「毎年そういう感じですよね。」
──タイアップものは、決まるのが早いですからね。
e-ZUKA「いえ、それはタイアップの話ではなくて。とにかくライヴが多い一年になる予定です。さいたまスーパーアリーナでも発表がありましたが、まず5月からツアーがありますし、あとイベントもいくつか決まってます。」
KISHOW「ライヴハウスは久々だから、すごく楽しみですね! 今年もあっと言う間に感じる活動になりそうですが、ライヴをたくさんやるので楽しみにしててください!」
取材:榑林史章
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