軌道上では
ベテルギウスの灯りが
夜行便に乗る背中を
ついばむ

見守るように
踏みつけるように

あの草原で出会った
君の名前を
思い出すことさえ
できない

アスファルトが
焼け付く陽に溶け出し
飴細工の形を
まねる頃

凍えた手を
焼き払う頃

あの草原で出会った
君の言葉を
思い出すことさえ
できれば

あの草原で
出会えた
君のその手を

あのマイルストーンで出会った
君の名前を
この胸に抱いて
いけたら
いいのに


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