点々と足跡 順風に非ざる 現を零し歩く
銘々の手招き 早々 戻らぬ様子 己んだ幻を追ふて

さすれば問ひを仕舞う 仰げば雨粒手が頬を打つ

行灯を頼りて 恋情にもたれた 尽きて再び灯す

さすれば明後に知らす 病葉 水溜りの一刹那
月下にて顧みた 一刹那

詩歌 切れ切れの盲信を 十重に二十重に庇ふ無様を くゆらすは
白々し御夜に すがる身の程が 粗末な余り

見解く以前に 色褪せ流るゝ 数多の次第を
今更拾ふて 胸に広ぐのか
羽折りし不実に 喘ぐのか


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