子供みたいな笑い顔が
静まる冬によく映えるのを
うまく君に 話そう

息を潜めた街灯の下は
凍える小さな宇宙のようで
それはきっと 僕らのもの

終わりのない世界など
すぐに解ける魔法だから

琥珀の枝よ
君と僕との
千切れそうな温度を結べ
銀の白馬よ
冷えた夜の肌を
駆けてゆけ 駆けてゆけ
自由で在りたいとおどけては
誠実さに泣くのはどうして
谷は深く 舞い積もる
琥珀の雪よ

過ぎ去る時間が結晶を描く
溶けてなくなるそれも追い越して
何処へだって 逃げよう

低飛行する梟(ふくろう)の羽が
きつく放さない君の気持ちを
小さな乱吹(ふぶき)で露(あらわ)にした

琥珀の星よ
君と僕との
壊れそうな速度を包め
眠る妖精よ
薄氷の下で
目を開けて 目を開けて
ひとりで立つのは怖いと
怯えてもああ君はどうして
谷は深く 透き通る
琥珀の樹々よ

春になったら
まだ先のこと
今は僕らの 冷たい夢
君と二人の 柔らかな夢

琥珀の枝よ
君と僕との
千切れそうな温度を結べ
銀の白馬よ
冷えた夜の肌を
駆けてゆけ 駆けてゆけ
自由で在りたいとおどけては
誠実さに泣くのはどうして
谷は深く 舞い積もる
琥珀の雪よ


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