誰か僕に巧いお菓子を
毒で本望 嘘で元々さ
可成なら甘いものが善い
湯呑勘定 蟲歯も厭はない

「立て」「撃て」「切り裂いても敬ひ去れ」「歇むな」「惡むな」
「吐け」「出せ」「引き摺つても歩き行け」「振り向くべからず」

色彩

丁度好い洋杯(コップ)が何処に行つても見付からないのだ 如何して
こんなにビルも道路も 増えて居るのに
飲むでも飲み切れぬ壜で不條理を凝視せよ

季節は廻つて急ぎ足
花は咲いた 蜂を呼寄せた
幾度も繰り還しをする
寛る様で 枯れるのが常と

「待て」「伏せ」「不可解でも崇め逝け」「病むな」「憎むな」
「視ろ」「嗅げ」「不愉快でも味わひ識れ」「覚悟を極めろ」

芳醇

長嘉の勝訴が何時になつても見當たらないのだ 如何して
品位が麗しいのは事実なのに
泣いて負けを認むる獣の條理を諷刺せよ

あ、通り雨 憂ひ菩薩 雲 行きて また 晴れて
配置されし 僕の記号 期待すれば氣付いてしまふ
模範だらけ 模倣だらけ 續いて 往く 此の 営み

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