空を泳ぐ鯨と潜水する鱗雲 時の流れ途切れた 深海を彩る世界
巡り逢いを求めてラプソディを口ずさむ 崖の下のあの娘はお尋ね者の歌姫さ

金に光る尾びれと銀の砂の首飾り 長く伸びた睫毛は瞬くたび津波が起こる
海の底に沈めた箱船型の色恋 手招きする仕草は甘い甘い誘い

これで最後と心に決めて 掟を破ってまた呪文を唱えてるけど
繰り返す最愛は 砂に書いた恋文のように波に呑まれ消える

ちゃぷちゃぷ恋に溺れる哀れな魚 真っ逆さまに海へ堕ちてゆく
ひらひら揺れる珊瑚のステージの上で 声を失くしてあの娘は泡になる

星の消えた夜空と生温い潮の風 夢は眠りの中に... これが現実の世界
好奇心で重ねた数えきれない過ち 安い懺悔なんかじゃ許されることはない

不完全な精神に咲いた花は 汚れを知らない透き通るような桃色だけど
ローレライにその影が伸びれば 今夜も水面にサイレンが響く

めらめら燃える弾丸があの娘に刺さる 知らん顔して海は満ちてゆく
真っ赤に染まる花弁が流れ流れて それは涙のように
ちゃぷちゃぷ恋に堕ちれば誰もが魚 逆さに浮かんだ三日月が笑ってやがる
きらきら光る珊瑚のステージの上で 悔いることなくあの娘は弾け飛んだ

深く溺れりゃ貴方も泡になれる


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