春の麗に 御山を覗けば
狸囃子に釣られて踊る
虎の威を仮る狐が寝過ごし
覚めて仰天 添い寝とくらぁ

ああ夜は ころりころげて
(駑鈍、駑鈍)

夏の盛りに 優曇華咲いたら
古今無双の音色が響く
夏も小袖と欲張りゃ末だしも
旋毛曲りは 何所ふく風

ああ夜は ころりころげて
(駑鈍、駑鈍)

絶えなば絶えね ほら期待通りに
世の中 進んじゃくれない

成さねば成らぬ ほら思い通りの
ものにゃ 生半可にゃなれない
(だが成せば成る!)

秋の晩くに 女形を落とせば
男冥利に にやけて候う
そんじょそこらの妃嬪にゃ劣らぬ
殿の栗毛と 見紛うほど

ああ夜は ころりころげて
(駑鈍、駑鈍)

冬の真中に燗酒つければ
五臓六腑に渡りて染みる
ちょいと微温めを鯣で一献
古妻の酌で 潰れるまで

ああ夜は ころりころげて
(駑鈍、駑鈍)

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