9月の終わりの 少し肌寒い午後と
夏の後ろ姿にまだ見とれてるよ
君をふっと思い出すよ
すごく会いたいとかではないけど

僕は今 東京の街に住んでいるのです
こんな風に君にちょっと手紙を書いてみる
出すつもりなんかないから
届くはずなんかない言葉

いつか会えるはずもないでも 忘れるはずもない人
こんなとこまで来たら 消えると思ってた人

駅から遠い君ん家へはバスが通ってたっけ
帰り道 一人で乗ったのを憶えている
「降ります」のボタンを押すのが
なんとなく苦手だったな

ばったり会えるといいな 都合のいい妄想が膨らむよ
誰かが押すのを待ってた 「降ります」のボタンのように

いつか会えるはずもない でも 忘れるはずもない人
こんなとこまで来たら 消えると思ってた人

きっと明日になったら すぐには思い出せない人
やっぱり押してみようかな
届くための 僕のドアを開くボタン


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