一冊の小説で一杯の鞄の中
手遅れを遮る希望の息

鉛筆の解釈で追い越したいなら
目も眩む程の劣等感の中

動もすれば演者は不在のまま
書き下ろされた合本の群れ
角に打つかれない
角に打つかれない

ここだけが唯―の安心で
僕自身が僕の恩人で
角に打つかりたい
角に打つかりたいと吠えるの

僕は十字架の為に
針金を混ぜて
降りて行く時間の組と狡い雨
それでも世界の音が切り裂けと云う
足りない廊下の上では誰かが泣いた
直に朝が迎えに来る
その前に大陸を動かしてね

行ったり来たりする世界中を頭の中で
今 叫ぶ嵐が心臓の位置
鉛筆を全力で追い越したいから
絵に描いた街では生きられない

諦める演者を詰るのなら
書き残された台本の群れ
角に打つかれない
角に打つかれない

ここだけが唯―の安心で
僕自身が僕の恩人で
角に打つかりたい
角に打つかりたいと吠えるの

僕等 十字架の為に
針金を混ぜて
降りて行こう時間の紐を思いのままに
終わりまで世界の音は切り裂けと云う
足りない廊下の上で もう誰かが泣いても
直に朝が迎えに来る
その前に大陸を動かしてね


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