愉しいとか
何もなくても
運びたいんだろ
ただ真っ黒なボクも
嬉しい事
一つあったら
報らせたいんだろ
その真っ白な声で

人知れず息絶えた
『あの頃』の死骸が窓に映っている
当たり前も車内では感動になった

あの小さな絨毯も
きっと空を飛ぶ為にはなくて
逃げようよ 急いで
僕達が辿り着く 夜は

行く宛がないのは毎日で
でも置き去りに出来ないのは
両眼を塞いで20世紀に戻っても
キミの事

正しい事
何もなくても
走りたいんだろ
ただ真っ黒なボクで

この頃
揺れ動く自分との曖昧で
削れる理想郷
譲り合う優しさが
喧騒になった

錆び付いた以上に古いホーム
行く宛が似る筈ない人
「飲み込んでしまえば、皆、同じさ。」
て笑ってる 夜は

眼の前に夢中で通り越した日の
もう光に逢えない者
減る蝋に背いて20世紀に戻るけど
ボクは車内

適当に泣いて
又 笑って
自分の駅を
失くしたきり

ねぇどうしたって
理由はなくて
歪んだレール
メトロは行く

独り泣いて
又 笑って
自分の駅を
失くしたのに

もうどうしたって
理由はなくて
歪んだレール
メトロは行く

あの小さな絨毯も
きっと空を飛ぶ為にはなくて
逃げようよ 急いで
僕達が辿り着く 辿り着く 夜

繰り返す事に似合う様に
あと何度も又 繰り返す事
逃げようとしたって
僕達が創り出す 夜だ

行く宛はずっと解っていて
今 置き去りに出来ないモノ
両眼を開いて20世紀は語るよ
キミの事
ボクの事


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