おもちゃの兵隊

ずっとなにより大事にしてた
おもちゃの兵隊を失くした
幼い頃の思い出の中に…
一人ぼっちで泣いていた僕を
いつも傍で守ってくれた
背に背負った大きな銃をかまえて…。

いつの間にこんなに大きくなった
僕はまだ一人じゃ立てなくて
少しずつ変わっていく町も僕も
ほこりまみれの部屋も景色も…

思い出す遠い日の微かな記憶
言えなかった言葉達…
あの頃のはしゃいでた思い出さえも
僕の胸締めつけるよ

遠くへ行った君の事を
今でも気にかけていたけど
消えていく昔の面影
消えていくいくつかの記憶

何もかもあの頃と変わらないままの
ほこりまみれの部屋は
ただ一つ僕だけが大きくなって
小さく縮んでゆく

今度は誰か別の人を
かわりに守っておくれよと
消えていく　海の彼方へ
消えていく遠く…遠くへと…。

ズット何ヨリ大事ニシテイタオモチャノ兵隊ヲ失クシタ…

僕はもう振り返らなくても
一人できっと歩けるから
幼い頃の思い出の中で
ずっと色褪せないままの僕を
この場所で見守っておくれ
いつかまた帰ってきておくれ
背に背負った大きな銃をかまえて…。