ぽつりぽつりと傘が唄うと
青い世界は不意に泣きだす
君は覚えているかな?
あの日ふたり見つけた紫陽花の花
「綺麗。」呟き微笑う君の横顔
僕は恋してた
六月の雨、ちいさな傘ひとつ
いつもは離れて歩くふたりの影を
重ねて繋いで近付けてくれた
思い出はいつも傘の下
「雨は嫌い。」と君は言ってた
花や景色が悲しそうだって
白い傘だけはいつも泣いてなかったよ
ずっと見ていたよ
紫陽花の花
淋しい雨の路地を
青く明るく飾って咲いてた
あの公園の落書きはもう無いけど
僕の気持ちはあの頃のままだよ
ごめんね
いつも不安にさせてばかりで
歩幅合わせていた「つもり」だったあの日々
あの紫陽花が今年も綺麗に咲いたけど
となりに君がもういない
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