とても静かだった
誰にも会わなかった
今日からやっと始まる
本当の僕の始まりの夜明け

誰にもきっと聞こえないような
小さな声であの歌を歌った
気を抜けばきっと挫けてしまいそうな
僕の背中を蹴飛ばす歌を

鴉が鳴いていた
空気が冷たかった
町は群青色の眠りの底でまだ夢を見ていた

誰もがきっと旅立つ朝の中
心の中でその歌を歌った
気を抜けばきっと挫けてしまいそうな
その人だけのためにある歌を

誰にもきっと聞こえないような
小さな声であの歌を歌った
振り向けばきっと手招きしている
弱虫な僕を振り切るために

誰もがきっと旅立つ朝の中
心の中でその歌を歌った
気を抜けばきっと挫けてしまいそうな
僕の背中を蹴飛ばす歌を


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