分かったと言って息途切れた
選択肢という名の予言に似た嘘つき
子猫のように思えた

そこは誰もが役を演じ
何もかもが価値を成すと
とりわけ意味の無いように思えた

だから君の僕らしい部分を
僕の君らしい言葉で
バレないように曝されぬように
塗り消す

ここには要らない 要らない 入らない
ここには要らない 要らない 入らない
ここには要らない 要らない 入らない
ここには入らない
ここに僕は要らない

ひとつどうしても告げたい
君の名前を呼ぶんだ
涙の粒が夜に紛れてしまう前に

まだヌクモリが消えない
君の名前を呼ぶんだ
それを見た街が揺れた
霞み光り揺れた

分かったふりでムニャムニャと呟く
君は二度も顔を赤く染めた
夕暮れ壁に伸びた闇と遊ぶ

さらに右目の良く見える方と
左の良くしゃべる方で
呆れるように気づかれぬように確かめる

心 痛くない 痛くない 居たくない
心 痛くない 痛くない 居たくない
心 痛くない 痛くない 居たくない
心 痛くない
心 僕は痛くない

でも演じて沢山話した言葉の中に
まだ大切な単語は無かったんだ
言えなかった
そう僕は終わりの傍観者
耳塞いでた手を握り合えば
一度くらい聞くこともできんだよ
話し方を忘れた君のこと
一度くらい話してよ

もうどうしても告げたい
君の名前を呼ぶんだ
涙の粒が夜に紛れてしまう前に

まだヌクモリが消えない
君の名前を叫んだ
それを見た街が揺れた
霞み光り揺れた

ふたつ想い重ねた
君の世界を知るんだ
記憶の粒が時に流される前に

まだ終わりとは言えない
君の名前を叫ぶよ
それを見た今日が揺れた
きらり光り揺れた


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