メガマソ/櫂の目塔の属領

海辺が近いため、錆び付きやすいものは持込してはならない。

メガマソ


word: 涼平 music: 涼平

『櫂の目塔の属領』収録

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  • 静かに、この中庭。
    尖塔に寄り添う風、西向きで。

    人々は夜の中心に帰り、街は閑散としてきた。

    静かな、二人だけが。
    千頭の領の住人、見守って。

    神々は土地の中心と孵り、支配は寓話の時代のよう。

    月の科白
    「これから潮風はもう少し強まる、想い出鈍らせんと。」

    強く強く願った、何よりも僕らが変わらぬようにと。
    冷たく言い放れようとも、底は何も漁られてはいない。

    静けさ、惑星は踊る。
    栓と浮く気持ちがほとんど、同一で。

    抜ける直前の瓶を返し、落ち着きは最高潮へ。

    星の科白
    「お前たちは、いつまでも忘れないものを持つ、この歌を聴いて」

    強く強く願った、何よりも僕らが変わらぬようにと。
    冷たく言い放れようとも、底は何も漁られてはいない。

    二度までも失って気づいた、喉はまだ、少しも、削られてはいない。
    冷たい時間を過ぎれば、其処は僕らの目指す頂で。

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