連なる山を越えて急いだ故郷への旅路は
果たせぬ思いに胸がつまる 陽は優しく
収穫祝う秋には唄えど
あなたの目に映らぬこの命など侘しさが募るばかり
断ち切れぬ迷いの中で

ただ愛を求めたゆえに
たかが愛だというのに
満たされぬこの心 剣を振りかざした

戦いに流れるその血は
むなしい罪の意識だけを与え続けた

彷徨うだけの心に 剣は確かな意味を宿し
振り下ろされ 英雄の名与えられた 裏腹な望みの中で

絶え間なく流れる水よ
この名を奪ってくれないか
ただの男になって涙を流してみたい

従者はこの心ひとつ
孤独のなかにいるのはそれが運命(さだめ)か

懐かしい匂い 緑の木々が揺れる あぁ絶望の果てに

ただ愛を求めたゆえに
たかが愛だというのに
満たされぬこの心 剣を振りかざした

夜を舞う白い翼よ 思いを届けておくれ
二度と帰れぬあの地へ 大空(そら)へ


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