影のない白い広場――。
べンチに座る僕の前を
黒い天使がよこぎった
籠にはきれいな鳩
女の子の手に風船
かわいた祝砲が
空の下で響いた
(深い絶望、あまい希望)
そんなことに僕らは
ぐちゃぐちゃになりながら
歩いてこう

(火だるまの王様も
水びたしの浮浪者も
ちからなく唄う僕も、繰りかえすよ
このまま)

影のない白い広場――。
みんなは帰る仕度
居なくなる前に僕も
いかなくちゃ
風船と鳩はいつか
すいこまれ見えなくなる

聖書のない僕らなら空の下で祈ろう


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