彼岸の曼珠沙華
境界隔てよ焔坂
足元掬うは
泥濘るむ泥か盛る花か

生きようとした
伸し掛かるほどに業重く
救われたいと
思うたびにこの身は沈む

蠢く一寸先より いま此処
逃げども行けども昇れど転がる
嗚呼われ地獄
燃える腕
の抱擁

場末の毒罌粟
滴る露は恋の腐臭
五臓に沁みるは
苦汁の血反吐か甘蜜か

愛そうとした
爛れてゆくまで欲深く
赦されようと
すがるたびにこの身が果てる

無常の
闇こそ溢れる極彩
追えども行けども塗れて堕ちれば
嗚呼南無地獄
笑む菩薩の掌上

蠢く一寸先より いま此処
逃げども行けども昇れど転がる
嗚呼わが地獄
凍える舌の接吻

無常の
闇こそ溢れる極彩
追えども行けども塗れて堕ちれば
嗚呼南無地獄
笑む菩薩の掌上


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