誰かに逢いたいくせに
思い出せる夜がない
見知らぬ他人のふりで
古い手紙さがせない
胸に隠したナイフのままの
昨日がある
ひとり傷つき嘘つきながら
それが夢のように
どしゃぶりみたいな恋に
裸のままいられない
許してあげたい人に
わずかな言葉さえない
いつもほんとうの自分がそっと
答えている
ひとり傷つき嘘つきながら
何もなくていいと
風は心をさみしがらせて
目かくしする
ただの気まぐれみたいな声も
それが愛のようだと
ガラスのささやきだけが
聴こえてくる
ひとり傷つき嘘つきながら
それが夢のように
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