向かいのビルの窓辺に
もたれたブロンドのレディ 交差点みつめて
道端で新聞かかえた
プエルトリコの少年は ダイムを数える

君から届いたエアメイル
ながめて暮らしたこの街にも
なじみの笑顔がふえてきた
元気でいるか それが聞きたい

一日止まることのない
回転ドアに行き交う
男たちの影
遠く離れたこの場所
他人の息づかいさえ なつかしく思う

今頃 君は眠りについて
時計は別々の時刻を指す
逢えないぶんだけ近くなる
目を閉じればすぐ隣りまで

いくつもの出会いから
ほんの少しの友達ができたよ
うまく生きてゆくのは
あいかわらず下手だけど

不思議さ 心に浮かぶのは
いつでも 君の怒ってる顔
今なら ふたりで暮らすのも
悪くないと 思い始めた

今度向かいあったら
ほほえむだけでわかる気がする
うまく生きてゆくのは
あいかわらず下手だけど


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