白いお城に暮らす お姫様
世界で一番わがまま
いつも誰かと比べてばかりで
自分が一番大嫌い

私の宝石よりも あなたのほうがいい
私の読む本よりも あなたのほうが面白い

笑い方を忘れた お姫様
周りに誰もいなくなり
うらやむものなくした お姫様
暗いお城で不満顔

ひとりきりで遊んでも とてもつまらないわ
うらやんだ宝石さえ 今ではもう光らない

暗いお城に呼ばれた 道化師
遊び相手は お姫様
誰でも笑わせることが仕事
けれど 悲し気に歌い出す

ワタシはアナタのほうが ずっとうらやましい
アナタが笑うだけで ダレもが喜ぶ
そんな顔しないで ただワタシのために
ワタシを憐れんで 笑わせてください

私の嫌いな私が うらやましいなんて
あなたはおかしな人ね お姫様が笑い出す

すると離れていった人たちが
ひとりまたひとり戻って
泣いていた道化師のいうとおり
みんな とても喜んだ

私にしかできないこともある
初めて知った お姫様
少しだけ 自分が好きになって
うらやむことはなくなった


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