廃車場でふざけあった短い夏の
エンドロールにはキミと僕と猫と

鉄屑に駆け上って手を振るキミ
錆びてもうくたびれきったバスを見つけた

埃だらけでくすんだグリーンのシート
そこには痩せた子猫 「ようこそ僕の家」

作戦を立てたんだ 明日このバスに乗って
誰も見たことのない世界まで行こう
時間も言葉も越える 不完全なスピードで
どこまでも行けるような気がしたんだよ

鉛色の眼をしたその子猫のことを
“スクラップ”とキミはおどけて名前をつけた

“スクラップ”はキミの膝の上で眠る
車窓にはプラネタリウム 「宇宙旅行さ」

デタラメな地図を手に 僕ら夜を彷徨って
誰にも触れられない世界まで行こう
歪んだこころに映る ねぇ キミは僕にとって
モノクロの未来にかかる虹みたいだなぁ

僕らははしゃぎ疲れて少し黙った
このままずっと時間が止まればいいのに

作戦を立てたんだ 明日このバスに乗って
誰も見たことのない世界まで行こう
時間も言葉も越える 不完全なスピードで
どこまでも行けるような気がしたんだよ

エンドロールにはキミと僕と猫と


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