DOWNER/皐月香る花と雨

皐月香る花と雨

DOWNER


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『皐月香る花と雨』収録

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  • 春が僕にぶら下がって季節の変わり塞ぐから
    「それは雨のせいだね」と赤らめた頬伝う言葉

    もう少し近く駆け寄って同じ目線感じたい
    其れすら叶わない状況が雨を無口にさせた

    無垢なその目は何を見ているの?
    過去になる"今"閉じ込めた、細いその手で掴み離さない、淡い芽が咲きますように

    咲いて咲いて力の限り
    真っ白な君に色をつけた、茜色の二人の時が、無意味なままでまた夏が来るから
    もう少し歩こうか

    今日は少し寒いねと傘を持つ手が震えます
    其れすら美しい状況が、雨に息を添えた

    「だからお願い君のそばにいさせて」

    泣いて泣いて泣くだけないて
    雨あがる頃君はいない
    思い刻む二人の針が、戻りますように…空を仰ぐ

    遠く遠く手を振る君に、素直になれずそっぽ向いた
    いじけ顔に夕闇が溶け、君が少し大人になる

    咲いて咲いて力の限り
    真っ白な日々に色をつけた、茜色の二人の時が、綺麗なままでいて欲しいと願った

    或る皐月香る花が雨に濡れた日

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