蛍火

襖から覗く彼はグラリと吊るされている　敗北の生涯と
浮世照らす月が雲に隠れ　背徳乱れるその髪は現実を隠した
無情…ここに涙

蛍火　君は何処へ行くのだろう　何故塞いだ空に明かり灯す様に
このまま　朽ち果ててくその時を　彩るならせめて貴方の傍で眠ろう

襖から覗く彼はグラリと静寂に咲いた百合の様　美しい
こんなにもただ貴方想うほどに　浮世　全てをAh 奪い去るのでしょう

混沌の舞台に立つ
無情…ここで涙

蛍火　幼き日の面影が　その光で淡く浮かんでは消える
飴玉　憎むほどに愛しさが爪を立ててその身体壊していく　所業の上に


偽りは千の夜と　子守唄道連れに
混沌の舞台に立つ　無情…ここに涙

蛍火　君は何処へ行くのだろう　何故塞いだ空に明かり灯す様に
このまま　朽ち果ててくその時を　彩るならせめて貴方の傍で…

水面揺らす風は涙をさらって
穏やかな決意と刃を手に
今生では報われぬ想いよ　また
来世ではきっときっと　と願う