レンガ造りの建物に夕日があたっている
待ちゆく人々は無口で家路を急いでいる
私はコンパクトで口紅を直している

街路樹が風に揺れる古い石畳
聞き取れない言葉で誰かが歌をうたう
私は切手をなめて絵葉書にはる

ああ夢にしか出てこない街
目が覚めると何も思い出せない

白い馬を飼っていた 目がクリクリして賢かった
でもヤギのように痩せてひからびて死んでいった
私はそれを火にくべる

ああ夢にしか出てこない街
目が覚めると何も思い出せない

砂漠に雨が降る
火柱が上がっている


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