「チョコレートが嫌いなの。」あなたの言う淋しげな口癖
舌先で溶けてしまう言葉みたいだからと
昼下がり 喫茶店 煙草を燻らせてる僕は
コーヒーに写ってる表情にハッとした
あぁ また思い出していた もう聞けない口癖を

あなたが思ってたよりずっとあなたを想ってたんだよ
本当は気付いてた、僕の言葉を待っていたこと

チョコレートが嫌いなのはさ 僕も同じだったんだよ
銀紙を噛んだような 甘い台詞は嘘っぽくて
ドアベル カランとなるたびに 振り向いては 探してる

あなたのその笑顔も その涙も 見当たらない
今ならば 言えるのに この溶けないあなたへの想いを

たった今遠く 君の声遠く
貯まった手紙 叶わない約束 捨てられない写真 消えない 声

あなたに会いたくなる 会いたくなる そんな時は
チョコレート一粒食べてみる 食べてみる
あなたが思ってたよりずっとあなたを想ってたんだよ
叫んでも 叫んでも ほろ苦い思い出は消えない


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