夕暮れを抜け出した夏の空は静かに通り雨で、
攫ってゆくだけさ、世界を洗ってゆくだけさ

靄のかかった歌は、東京では唄えない
君の作った歌は、東京では流行らない
雨のあがった道を
とぼとぼ歩いてきたのでしょう 私たち

街角は鳴るよ 響きだす家族の音
遠くに電車が行くよ
灯しだす街の色に染まったら 帰ろう
本当のことは知らずに 僕と

街角はいつも 騒ぎ出す夜風のにおい
遠くのあの娘をふと思い出したりする
灯しだす街の明かりが滲むこんな夜は
本当のことは知らないままでいたい

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