青春は終わったと告げられる夢を見て漫画みたいに飛び起きた俺は
今コーヒーを飲んでテレビの画面に映るニュースキャスターの髪型ばかり見ていた。
耳に入ってくるのは政治家や芸能人のスキャンダルばかりで、どれもコーヒーを味気なく変化させた。
誰かに言われた「お前は長生きしそうだよな」という一見前向きにみえる言葉の裏に隠れた
「平凡な人生を送りそうだな」という意味を反芻していたらカップは空になっていた。
俺はやっと窓を開けたんだ。
少ない月給を駆使して払い込んだ家賃がこんなにつまらない人生に加担していく。
俺は煙草に火をつけてテレビを消した。いや順番が逆だったかもしれない。そう、テレビが先だった。
そんなどうでもいいことを考えながら俺は煙草の火を消して外に出たんだ。
紡いだ言葉が灰になる
吐くことなく
吐かれることもなく
でも塞いだ心が動き出す
今日だけなら許されるよな
1、2、3 で灰になるまで叫ぶ
心が擦り切れてしまうくらい
1、2、3 で灰になるまで歌う
命が削れて苦しいくらい
商店街にある駄菓子屋には昔見たような光景はなくて、店先にいるのは2匹の野良猫だけだった。
寂しさを感じる暇もなく 10m 先に見つけた古本屋に目を留め、眼鏡をかけ直した。
次から次に自分から動かしていかないと変わらない風景に愕然としながら
その更に 20m 先にある公園に目を移し、誰かのベビーカーが作った影に目を落とした。
この世界はつまらないなりに精一杯頑張って回っている。自転と公転を繰り返しているその規則性が
俺をつまらなくしているかと思うと悪くない気がしてくる。誰かのせいで俺は今未来を信じることなく
ぼーっと景色を見ては煙を吐く動作を繰り返しているかと思うと自分だけじゃない気がしてくる。
でもやっぱり俺は無力で
何にも変えれないし何にも変われない
世界が不規則に回っても多分俺は今のままだ
だけど死にたくはないし
生きたい
1、2、3 で灰になるまで叫ぶ
心が擦り切れてしまうくらい
1、2、3 で灰になるまで歌う
命が削れて苦しいくらい

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