最初の夜が静かに明けて何か不思議と笑えてきたんだ。
似た者同士でいるってことがふたりを繋ぐ理由の全てだった。

快晴の表参道。ギターを担いだ少年の想像と違う未来。
誰かの聞き飽きた言い訳と。

急ぎ足で横に並ぶきみを見ていた。
それだけで多分良かった。

最初の日からどれくらい経つっけ。
何か変わった?ときみが言う度、すれ違うことが増えてしまった。
きっと大丈夫だと思っていたのに。

抽象的な映画がやるせない日々を加速させたり、減速させたり。
ぼくらは少し疲れちゃったから。
ただそれだけなのに。それでいいのに。

最後の夜が間近に迫って、何が見えるの?ときみは言うんだ。
記憶の中に閉じ込めていた沢山の嘘で胸が痛いよ。

もしもぼくの夢の中にきみが出たら少し照れてしまうけれど、伝えたいよ。
感謝と「ごめんね」を。

最後の夜が終わったとしたら、何が変わるの?ときみは言うんだ。
せつない歌が流れてぼくは何も言えないままでいたんだよ。
最後の夜が終わったとしても、きっと明日もすぐに過ぎるだろう。


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