なんにもないこの季節が過ぎたら
海を見ようよ、って微笑んで言う
横顔を思い出していた
虹に醒めた目、憂いながら
太陽が 照らす 素足のままで
水に濡れていく 日々の泡と
シャボン玉を吹いて 遊んでいた
季節はどこにも 無いでしょう?
泣いていても
わたしはここにいるけれど
青い日々も 忘れて
魂は許される?
それでも行為も季節も海に投げたら
悪い夢に変わってしまう
ああ それを それを 忘れられたら
わたし 何にも許せないまま
どうして 壊れてしまうのだろう。
どうして?許せない言葉を吐いて
止められない、夢に
海が、燃えていく。
ねえ いつか 僕は大人になって
大切だったこと、忘れていく
ついていた傷の跡も消えゆく
春のにおいは 消えないまま
ずっと夢にいる、僕は今でも
暮らしのなかで 感じられず
夕方が過ぎる、五時半の音が
ゆっくり、ゆっくりと 加速していく
僕は、ぼくを、
忘れながら また
碧に返す。
眼を閉じて いつかみえなくなる。
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