これは偉大なる発明と誰もが疑わぬような
そんな空論で机上は散らかっていた

積み上げられたガラクタは
静かに部屋の隅 並び
埃を被って眠る 陽の目を夢見て

私とよく似ている

薄れていく記憶をそっと繋ぎ留めるように
私はまたひとつ発明する
あなたがいないならば意味がないと知った
季節を数えていくほどに

記憶の数だけ増えていく 今はない感情の記録
心を伝って溢れたその一雫を

誰に話すことも無いと そう私は思っていたよ
こんな空想が誰を救うのかと けれど
あなたは

怯えていた 夜明けを待って朝を祈るように
ただ私は隣で寄り添いたい
言葉が意味を持つより前にそっと
一縷の光となるように

これまでのこと
積み重ねた日々のすべてに頷けないこと
それでもこうして あなたのそばで
今は苦悩でさえも愛しく思うんだよ

薄れていく記憶をそっと繋ぎ留めるように
私はまたひとつ歌にしたよ
あなたがいないならば意味がないと知った
これが私の発明


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