貴方の掠(かす)れた声が聴こえる
私が隣に居た あの日のままで
戻れない唄に罪はないけど
もう貴方との曲を私は聴けないよ

何度も聴いた声は
思い出したくは無かった
忘れたかった声は
今も私の中にいた

前に 続く
道の先はまだ蜃気楼
雨が止めば
空には貴方の幻
今違う景色に居る私は瞳を閉じている

貴方の匂いまで 走馬灯のように
掻き回されながら 胸を劈(つんざ)く
泪(なみだ)が落ちた後の頬のように
足跡だけのこる玄関のように

何度も聴いた声は
思い出したくは無かった
忘れたかった声は
今も私の中にいた

欲しいものは
手に入れられないものばかりで
口がすっかり乾いてしまっているから
今仕方なく手元の水で唇を濡らしてる

もしも明日
あの日のように出逢えたなら
昨日までの 別れを海に流そうよ
今違う景色にいる貴方は前よりも綺麗だよ

もしも明日
あの日のように笑えたなら
昨日までの ごめんねを海に流そうよ
今違う景色にいる貴方は前よりも綺麗だよ

今違う景色にいる貴方は前よりも愛しいよ


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