季節はずれの
赤いツバキが
一人ぼっち
小さく歌う

ねずみ色した
ビルの谷間に
こだましていく
わらべ歌

ちぐはぐな世界に
迷い込んだ花の
懐かしい香りが
舞散る

花一匁よ
咲き誇れ
ただ一輪の
花として
命燃やすの
美しく

花一匁よ
狂い咲け
あの子も全て
望むがままに
射止めてあげる

溶け出してゆく
花の色香が
心までも
真っ赤に染める

バラバラな思いの
合間を埋めてゆく
懐かしい旋律
湧きたつ (舞散る)

頼りなく揺れる
ささやかな命が
燃やしてゆく 全てを

小さな小さな
花でさえ
地平の彼方
空を超え
命謳うの
いつまでも

花一匁よ
咲き誇れ
ただ一輪の
花として
命燃やすの
美しく

花一匁よ
狂い咲け
あの子も全て
望むがままに
射止めてあげる

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