席替えはクジ引きで否応無しに決めつけられて
僕は一番後ろの席を引き当てて
自分の視力が落ちてきてることは密かに知っていて
これからの毎日が思いやられそうだなー

そんな矢先に 僕の隣に 天使が舞い降りた
「これからよろしくね」と笑う君がそこにいた 君がそこにいた

遠くが見えなくても 世界中ボヤけても
君の笑顔が 隣にあるのなら
何も怖くなかったよ 君を見つけるための
瞳だったのさ これ以上ないほど
今が続けばいい 初めての恋
教室の片隅 夏のそよ風

幸せな日々は信じられないほど早く過ぎてって
この席になってもう3ヶ月が過ぎて
自分の視力が更に落ちてきてることは密かに知ってて
黒板の文字はもうほとんど見えなくなった

けど「先生の書く文字って小さいよね」と囁きながら
机近づけ ノートを見せてくれる君がいた 優しさを知った

たとえばこの瞳がだんだん悪くなって
いつか何にも見えなくなる日がきても
君がくれた笑顔や大事な思い出が
消えないように忘れてしまわないよに
焼き付けておきたい一つ一つを
外はもう粉雪 12月の気配

目を細めながら 前を見てた僕に
先生が言った 優しい一言 出来れば聞きたくなかった一言

「席を入れ替えましょう 一番前の人と
大切なことを見落とさないように」
先生そうじゃないんだよ 僕は見つけてたんだよ
大切なことを 好きになるということを

遠くが見えなくても 世界中ボヤけても
君の笑顔が 隣にあるのなら
何にも怖くなかったよ 君を見つけるための
瞳だったのさ 本当にありがとう

一番後ろの席 から聞こえてくる
「これからよろしくね」 天使の笑い声
間違いなく僕は 幸せだった
眼鏡買おうと決めた 人生最初で 裸眼最後の 恋


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