夏が終わることもこの胸は
気のせいだって思っていた

空いた教室 風揺れるカーテン
君と空を見上げたあの夏が
いつまでだって頭上にいた

さようなら
青々と息を呑んだ 例う涙は花緑青だ
黙ったらもう消えんだよ
馬鹿みたいだよな

思い出せ!

思い出せない、と頭が叫んだ
ならばこの痛みが魂だ
それでも それでも聞こえないというなら

愛想笑いの他に何も出来ない
君と夏を二人過ごした想い出を
笑われたって黙っている

笑うなよ 僕らの価値は自明だ
例うならばこれは魂だ
黙っただけ辛いのに馬鹿みたいだろ
なぁ、言い返せ

言い返せないまま一人歩いた
指を指された僕が残った
それでも それでも思い出せないのか

さようなら
青々と息を呑んだ 例う涙は花緑青だ
黙ってくれ わかったよ
君の声がする

「思い出せ!」

思い出したんだ、と喉が叫んだ
この痛みが君の証明だ
それでも それでも聞こえないというなら


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