去りゆく後ろ姿を引き止めることが出来ず
生温い風に背中を押され
寄せ集めの言い訳ばかりで
優しさを間違え 下らないプライドに染まる
あたりまえの小さな喜びに
気付くことが出来なかったから

月が灯りを忘れた夜 見つけてやれなかった思いが
次から次へと溢れ出す
これでいいんだと言える日は
いつになれば来るのかな

となりにいるだけで ただいるだけで
よかったから
同じ空を見ていた そばで見ていた
あの日流れた涙も知らぬまま 夜の風に消える

月が灯りを忘れた夜 見つけてやれなかった思いが
朝まで待てずに騒ぎだす
これで最後だと知ってたら少しは楽になったかな

だから
となりにいないだけ ただいないだけ
そう言える日に そっと目を覚まして
思い出して 名前を呼んで

ふさぐ手をどけて 泣いた顔を笑顔にして
小さく手を振って 胸を張って 夜を越えて

となりにいるだけで ただいるだけで
よかったから
同じ空を見ていた そばで見ていた
あの日流れた涙も知らぬまま

残る影に ただ胸を張って
また夜の風に消える


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