遠く なぞる 記憶 汗ばんだ 蝉の声
肌と肌で 交わした永遠 幼く もろく

きめ細かな ふたりの距離を
測れない 無力を嘆いても
失くした後は 眩しすぎて

願いは届かずに 日々は止まらずに
何度目かの今日が来て
今年もまた想う 君の不幸せ
帰る部屋と 僕が待つ
どうか 傷ついたなら
寄り道でもいい 日陰でもいいから

街は 浮かれ 弾む 足音と 恋の歌
地下鉄から 吹雪く灼熱 冷たく焦がす

偶然など おこがましくて
捜しては 何度も捕まえた
君に似た花 隙間 埋める

もしもが叶うなら この汚れた手で
どこか遠く 連れ去って
帰り道に迷う 複雑な愛で
強く焼いて 離さない
どうか 君の隣が
それに気付く前に 手放しますように

早すぎた出会いと 遅すぎた別れ
悪戯だと 諦めて
目を逸らせば終わる 僕の長い夏
今ならまだ 美しく

願いは届かずに 日々は止まらずに
何度目かの今日が来て
今年もまた想う 君の不幸せ
帰る部屋と 僕が待つ
どうか 傷ついたなら
寄り道でもいい 日陰でもいいから それでもいい

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