キラキラ 不可思議な街
流れてくる音楽 ホラ懐かしいメロディ
自然とステップ踏んで らら
暗がりから手招く
クラクラら と誘惑
チャイニードレスの下
リボンを解いて ご覧

舌は周辺を一周して 鮮やかさを増す紅
しなやかな指 真っ赤なネイルは
皮膚を這わせて 何度も
僕の喉元に刺して 「声が欲しいよ」と
パラレルワールド

ここでは後悔を
与えたもの勝ちらしい 弱虫

嗚呼 妬まれるくらいに贅沢なのは
ころころ 出目金の飴玉
舌先で転がし プカプカ
浮いて 浮いて 浮かれて
餌付けされたまま 無表情
「そう僕は凡人だ」と
名乗れることらしいよ

意外と短い僕の舌ったらずは
揺らすには適しているらしい
水槽を波立たせてひび割れさせて もがきながら
足元に線香花火が 落ちないか怯えているよりも
あの宙めがけて 手が焼けるくらい火花散らして
ロケット飛ばそう

失う怖さばかり理由にして 立ち止まっていた
この腕はこの足は飾り物ではない

白線踏み外さないような毎日 満員電車の窓際
背中押されて ふいに触れてしまったスイッチ
鳴り響くサイレンと 目眩の中出逢えた
もう1人の僕 熱く火照る
この舌の痛みを
いつまでも忘れない ニヤける

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