2014-08-20
Mary's Blood、鮮烈な飛躍的進化が導く新たな革命
ガールズバンドも百花繚乱といった様相を呈している中、アルバム『Countdown to Evolution』でついにメジャーデビューを果たすMary's Blood。激しくも華々しい、多彩なメロディックメタルが旋風を巻き起こしそうだ。
──結成時のメンバーはMARIさんとEYEさんですが、どんなバンドにしようと考えていたのですか?
MARI「激しいものから歌のメロディーがはっきりしているものまで、大きく分けてロックが好きなメンバーが集まったんですね。それぞれ男性の中に混ざって活動していたこともあったんですけど、やっぱり全員女性ならではのカッコ良いロックをやりたいという思いは、当時からありました。」
EYE「結成する時は、ひたすらガムシャラだったので、あまり事細かく考えずに動きまくってた感じだったんですよ。ただ、女の子だけでどこまで激しく、どこまでキャッチーにできるのかなっていう挑戦もありつつ、それがいずれバンドのカラーになるかなとか考えたりしていて、そのまま今に至ってますね。」
──2012年に加入したRIOさんとSAKIさんは、Mary's Bloodに対してどんな印象を抱いていたのですか?
RIO「聞こえは良くないかもしれないですけど、正直、ガールズバンドというものに対してはナメてた部分があって。でも、一緒にスタジオに入ってみて、考え方が一新しましたね。音源を聴いた時は、“このすごいドラムは絶対に打ち込みでしょ!”みたいに思ったんですけど、本当に叩いてたんですよね。もう、私がいるべき場所はここしかないと思ったので、他のベーシストを探させないように、“私が入るから!”って逆に口説き落としました(笑)。」
MARI「その日のうちに言ってたもんね(笑)。本人は“口説き落とした”って言ってますけど(笑)、初めてスタジオで音を合わせた後に、このバンドで大きくなりたいんだみたいな夢を語ってくれたんですよ。それを聞いて、絶対にこの子だなと思ったんですよね。SAKIちゃんは対バンしたこともあったんですけど、すごく多彩なギターで、ロック以外のものもたくさんやってきたんだろうなってところが魅力的で。だから、いつか一緒にやりたいなとは思ってたんです。」
SAKI「私もいいバンドだなぁと思ってたし、ライヴを観に行ったりもしてたんですよ。声をかけてもらった時には、ちょうど(それまで活動していた)諸々が終わって、Mary's Bloodに入りたいなと思ってた時だったんですね。」
──今回の『Countdown to Evolution』は、インディーズ時代の作品と比べれば飛躍的な進化が見られますし、ある曲の歌詞にもある“Countdown to Revolution”というタイトルのほうがむしろ相応しいのではないかと思いますよ。
MARI「それは嬉しいですね。激しい時は激しく、でも、聴く人にきちんと伝わるような素敵なメロディーがある。音的なところで言うと、今回は“重く、速く”というところもすごく強調したアルバムになっていると思うんですね。」
SAKI「今回の制作から、プロデューサーさんやディレクターさんという外部の方も増えたんですけど、ミーティングする中で、今までで一番激しく、テクニカルにしようという方向性が決まったんですね。実際に、思っていたよりもずっと難しいものを要求される場面が多くて。その点では大変と言えば大変でしたけど、楽しく作れたかなと思いますね。」
EYE「今までの比じゃないぐらい、譜面の量がすごいもんね。今回はいろんな人たちと新たなかかわりができて、より洗練されたものを作るという方向性に決まったんですけど、そういった環境があったからこそ挑戦できたアルバムになったかなと思ってて。よりレベルの高い状態でまとめられたと思うんですよ。そういう意味では、色も濃く、ステップも進んだところに着地できたかなって思ってます。だからこそ思うんですよね、ここからもっと進化できればいいなって。」
RIO「私は言葉で説明するのがすごく苦手なので…まぁ、聴いて、感じろ!って感じです(笑)。でも、ドライブ中とかには聴かないほうがいいかも。事故っちゃうかもしれないんで(笑)。どの曲を一発目に持ってきてもおかしくないんじゃないかなと思うような仕上がりになりましたね。」
──「Marionette」はビデオ・クリップも制作されましたが、まずはこの曲が相当なインパクトを与えるでしょうね。
SAKI「でも、「Marionette」は聴きやすいほうですよね。“すごい弾きまくってるねぇ”とか“音数多いねぇ”とかみんなに言われたんですけど、私の中では全然(笑)。」
EYE「入門編は「Marionette」で、衝撃的という意味では「Coronation Day」かな(笑)。前作や前々作もそうですけど、曲ごとに色がバラバラなんですよね。」
──その「Coronation Day」は“Mary's Bloodとは何なのか?”みたいな自己主張の曲でもあるのかなと思いますね。
EYE「デモの時点ではブラストが入ってたりもしてて、デス声しか乗らないんじゃないかと思ったんですけど(笑)、演奏の激しさとヴォーカルのメロディアスさを共存させるという、結成当初からずっと守ってきたテーマをいかにナチュラルに聴かせられるか。その意味では、Mary's Bloodの色になったなと思いますね。歌詞はアルバムで一番強い曲になるだろうなって、バンド名の由来でもあるメアリー女王のイメージにもリンクさせたんですね。サビはライヴでみんなにも歌ってもらえるようなキャッチーさを狙ったんですよ。」
──このサビは意味的にもすごく重要ですよね。アグレッシヴさが前面に押し出されつつも、例えば「Campanula」のようなポップなハードロック曲やジャズの要素も出てくるシャッフルの「Black★Cat」などもある。アルバム発売に伴う東名阪ツアーもより楽しみになりますね。
MARI「お客さん参加型というか、こんなに発散できて楽しいんだぞって時間を味わってもらえるのが、Mary's Bloodのライヴかなと思うんですね。演奏でも魅せたいですし。」
EYE「ライヴになると底力が出るんですよね。この激しいアルバムを引っ提げて、ヒィヒィ言いながらやるんで(笑)、その奇跡の瞬間を目撃しに来てほしいですね。頑張ります。」
取材:土屋京輔
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