云うこときかない
可愛い君を攫って
桃源楼の房間
監禁しませう
絹襦子帯子で
目隠ししたら
緋牡丹の莟に接吻を

聞けよ聞けその耳
私の声を
逝き去りし日を乞う
歌姫の歔欷

ここは夢魔の彼方
恋亡骸の厭わしき指先
嗚呼君よ思い知るがいい

紫檀の寝床に
君の吐息は良く似合う
いと甘き烟
口移ししませう
琥珀の素肌に
螺鈿のように煌く
刺青を彫らせたい

見よご覧その眼で
私の姿
薄闇纏い舞う
娼妓の秘技

纏足の臭いぞせし北京の
夜は永久を騙り
わが愛の不滅を語らん

嗤え嗤うがいい愚かな我を
破滅に導かれ貴方を恋うる
夜ごと子宮の中に孕むは炎
女達は何を燃やすため愛を産む

見よご覧その眼で
私の胸の
血塗れて羽搏く
凶鳥の狂気

ここは夢最果て
黄泉恋坂 いと優し抱擁
嗚呼君よ思い出すがいい


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